- 前半は整え、後半でカーボを高める配分
- 体重×炭水化物目安と主食の増やし方
- 低脂質・低残渣・低FODMAPの工夫
- 水分・塩分・補給の時間割
フルマラソン1週間前 食事メニューの基本戦略と栄養設計
フルマラソン1週間前の食事メニューは、「前半で整え、後半で満たす」が合言葉。胃腸に優しく、エネルギーを高密度に蓄える配分へと徐々にシフトします。競技当日の走力は練習量だけでなく、前週の食事で左右されます。体重あたりの炭水化物量、脂質の抑え方、食物繊維の扱い、水分・電解質の“入れどき”を定義し、迷いを無くすことが最短解です。
7日間の配分設計(整える→蓄える→仕上げる)
- 調整期(7〜5日前):普段食を整え、脂質と不溶性繊維をやや控える。炭水化物は5〜6g/体重kg/日の目安。
- 増量期(4〜3日前):主食を1〜2品増やし、炭水化物を6〜8g/kg/日に。消化性の良い穀類中心。
- 仕上げ期(2日前〜前日):低脂質・低残渣へ寄せ、炭水化物を7〜10g/kg/日で肝グリコーゲンを満たす。
体重別・期別の炭水化物目安(g/日)
体重 | 調整期 5〜6g/kg | 増量期 6〜8g/kg | 仕上げ期 7〜10g/kg |
---|---|---|---|
50kg | 250〜300 | 300〜400 | 350〜500 |
60kg | 300〜360 | 360〜480 | 420〜600 |
70kg | 350〜420 | 420〜560 | 490〜700 |
三大栄養素のバランスとたんぱく質の置き所
- たんぱく質:1.2〜1.6g/kg/日を目安に、脂質の少ない魚・鶏むね・豆腐・ヨーグルトで分割摂取。
- 脂質:増量期以降は控えめ(総エネルギーの20%程度を目安)。揚げ物・バター・生クリームは縮小。
- 炭水化物:白米・うどん・食パン・ジャガイモ・餅・お粥など消化性重視で。
水分・電解質の設計(むくみ・脱水を避ける)
- 平日
- こまめに水や薄めのスポドリ。色の濃い尿や頭痛は不足サイン。
- 前日
- 塩分は普段通り〜やや多め。スープ・味噌汁を活用し、飲み過ぎでの夜間頻尿は避ける。
- 当日朝
- 目安は体重×5〜7mlの水分を2〜3回に分けて。スタート60〜30分前に仕上げ。
フルマラソン1週間前 食事メニュー:7日間の具体プラン
ここでは「朝・昼・夜・間食」を迷わず組めるように、期別の具体例を提示します。食材は自宅でも外でも揃えやすいものを中心にし、普段の食習慣から急激に逸脱しない構成にします。フルマラソン1週間前 食事メニューの核は、主食の“盛り増し”と脂質・繊維の“引き算”のバランスです。
7〜5日前(調整期)サンプルメニュー
食事 | メニュー例 | 狙い |
---|---|---|
朝 | 食パン2枚+はちみつ、ヨーグルト、バナナ | 消化性と糖質の確保、脂質控えめ |
昼 | 白米、焼き魚(さけ/たら)、ひじき少量、味噌汁 | たんぱく質確保と塩分で発汗に備える |
夜 | うどん(かけor月見)、温野菜、豆腐 | 胃腸負担を抑えつつ炭水化物を補充 |
間食 | おにぎり1個、カステラ、果汁100%ジュース少量 | 血糖の谷を作らない分割補給 |
4〜3日前(増量期)サンプルメニュー
- 朝:お粥大盛+卵、きなこヨーグルト、果物(熟したバナナ)
- 昼:丼物(親子丼or牛丼の“つゆだく・脂少なめ”)+味噌汁+漬物
- 夜:パスタ(和風/トマト)大盛、鶏むねソテー、ポテト、スープ
- 間食:おにぎり/あんぱん/クラッカー、スポーツドリンク
2日前〜前日(仕上げ期)サンプルメニュー
タイミング | 推奨メニュー | 注意点 |
---|---|---|
2日前 | 白飯多め+鶏そぼろ、うどん、じゃがいも、温野菜 | 油物と硬い野菜は控える |
前日 昼 | うどんorそば(消化性重視でうどん推し)、おにぎり、スープ | 食物繊維は少量、辛味NG |
前日 夜 | お粥or白飯+白身魚/鶏むね、少量の浅漬け、みそ汁 | 満腹超過は睡眠妨害。腹8分目 |
就寝前 | 消化に良い糖質(小さめのあんぱん/クラッカー) | 牛乳・生クリーム系は回避 |
コンビニ・外食で組むフルマラソン1週間前 食事メニュー
忙しくても大丈夫。コンビニと外食を軸に、脂質と繊維の“落とし穴”を避けつつ、炭水化物量を積み上げる現実解を提示します。新規食品の導入は最小限とし、口当たり・消化性・塩分バランスを優先します。
コンビニ組み合わせ(期別テンプレ)
- 調整期:おにぎり+サラダチキン+味噌汁、ロールパン+ヨーグルト+果物ゼリー
- 増量期:おにぎり2〜3個+和風パスタ、餅入りスープ+バナナ、あんぱん+低脂肪乳
- 仕上げ期:お粥+鮭フレーク、うどん+おにぎり、白飯+昆布・梅・鶏むね
外食での選び方マトリクス
ジャンル | 推奨メニュー | 避けたい例 |
---|---|---|
和食 | うどん、親子丼、焼き魚定食(脂少なめ) | 天丼、刺身大量+生野菜山盛り |
洋食 | トマトパスタ、チキンソテー+ライス | クリーム系パスタ、フライ盛り |
中華 | あんかけ麺、中華粥、蒸し鶏+白飯 | 油多め炒め、激辛麻辣、揚げ点心 |
ドリンク・補食の現実解
- 水・お茶
- 常備。就寝前は飲み過ぎ注意。
- スポーツドリンク
- 練習日や暑い日は薄めて小まめに。
- ゼリー/ようかん/カステラ
- 間食で糖質を“上乗せ”。脂質の少ない甘味を。
体質・目的別のアレンジで失敗しない設計
同じフルマラソン1週間前 食事メニューでも、体質や目的によって微調整は必須です。胃腸が繊細、むくみやすい、減量中、ベジタリアン、グルテン制限など、よくある条件別に置き換え例を示します。
胃腸が弱い・低FODMAP寄りにする場合
- 主食:白米・うどん・米粉パン中心。玉ねぎ・にんにく・豆類は控えめ。
- たんぱく質:白身魚、鶏むね、卵、硬すぎない豆腐。
- 乳製品:ヨーグルトは少量から。合わなければ乳糖低減タイプ。
むくみ対策・減量中の調整
課題 | 対策 |
---|---|
むくみ | 加工食品の塩分を把握。味噌汁は具だくさんで塩分は普段通り〜やや控えめ。カリウム食材は“火を通して”少量。 |
体重増の不安 | 脂質をさらに削減(揚げ物ゼロ)。炭水化物は主食で確保し、甘味は脂質少なめの和菓子系へ。 |
ベジタリアン・グルテン制限の置き換え
- ベジ
- 主食は米・芋・蕎麦、たんぱく源は大豆製品・卵(可なら)。油揚げは湯通しで脂を減らす。
- グルテン制限
- 米・餅・十割そば・米粉麺へ。パン・うどんは避け、消化性はお粥でカバー。
フルマラソン1週間前のNG食品と“ありがちな失敗”
当たり前に見えて、つい手が伸びてしまう落とし穴が多数あります。直前での“冒険”は禁物。体内環境を乱す要因を定義し、代替案を握っておきましょう。
避けたい食品・調理例
カテゴリ | 例 | 理由 |
---|---|---|
高脂質 | 天ぷら・唐揚げ・ラーメンこってり | 胃排出遅延・胃もたれ |
高繊維 | 生野菜山盛り・玄米・雑穀大量 | 腹部張り・下痢リスク |
刺激物 | 激辛・アルコール・炭酸大量 | 胃腸刺激・睡眠質低下・脱水 |
初見の食品 | 新作サプリ・海外菓子 | 予期せぬ不適合・下痢 |
ありがちな失敗と対処
- “食べ溜め”して寝苦しい:前日夜は腹8分目+就寝前に小補食で十分。
- 水分を一気飲み:こまめ分割へ。夜間頻尿→睡眠質低下は本末転倒。
- 食物繊維をゼロに:ゼロは便秘リスク。温野菜や柔らかい根菜で“少量維持”。
崩れた時のリカバリー手順
- 胃もたれ時:次食をお粥+白身魚+スープの超消化メニューに。
- 下痢気味:脂質・乳糖・難消化性炭水化物を一時カット。水分と電解質を小まめに。
- 食べ足りない不安:間食でおにぎり・あんぱん・カステラを追加し、“脂で埋めない”。
前日と当日朝の時間割:フルマラソン1週間前 食事メニューの最終形
仕上げの48時間は、消化性・量・タイミングが勝負です。習慣の延長で組み、当日は“定番の再現”に徹します。ここでは前日夜〜スタート直前までの時系列シナリオを提示します。
前日夜の定番
- 時間:就寝3〜4時間前に夕食。内容はお粥/白飯+白身魚or鶏むね+味噌汁。
- 量:腹8分目。大盛は就寝の質を落とすため避ける。
- 就寝前:小さめのあんぱん/カステラで糖を上乗せ。水は一口ずつ。
当日朝のタイミングと内容
スタート時刻 | 主食タイミング | 朝食の例 | 直前追加 |
---|---|---|---|
9:00 | 6:00〜6:30 | おにぎり2個+バナナ+ヨーグルト少量 | 8:20〜8:40にジェル/ようかん半分 |
10:00 | 7:00〜7:30 | お粥大盛+卵+梅、カステラ | 9:20〜9:40にジェル/スポドリ |
スタートまでの補給と水分戦略
- −60〜−30分
- スポドリを数口ずつ。トイレ動線を確保。
- −15分
- ジェルorようかん少量+水一口で口を潤す。
- 並び中
- 冷え対策に温かい飲み物を少し。飲み過ぎない。
まとめ
前半3〜4日は普段食を整え、後半3〜2日で主食を増やす。脂質・食物繊維・刺激物は控えめにし、塩分と水分を計画的に。前日夜は消化性重視、当日朝は3時間前に定番を、スタート直前は少量の糖で仕上げるのが基本。
- 迷ったら白飯・うどん・バナナ
- たんぱく質は脂身少なめで
- 新しい食品・サプリは試さない