2026年1月18日、広島の地で熱戦が繰り広げられた第31回全国都道府県対抗男子駅伝(ひろしま男子駅伝)。
新春の広島を駆け抜けるこの大会は、中学生から社会人までが襷をつなぐ世代を超えた戦いとして知られています。
今大会、もっとも注目を集めたのは、宮城県代表として出場した仙台育英高校の近江亮選手ではないでしょうか。
高校ラストイヤーを有終の美で飾るべく、彼が見せた走りは多くの駅伝ファンの心を震わせました。
かつて全国高校駅伝(都大路)での転倒という悔しい経験を乗り越え、世代トップクラスのランナーへと成長した近江選手。
本記事では、彼が今大会で見せた圧巻のパフォーマンスと、そこに至るまでの軌跡を詳細にレポートします。
また、彼が進学予定の大東文化大学での将来性や、今大会の他の注目ポイントについても深掘りしていきます。
これから駅伝界を背負って立つ「近江亮」というアスリートの現在地と未来を、一緒に目撃しましょう。
- 宮城県代表・近江亮が5区で見せた衝撃の区間賞獲得の瞬間
- 仙台育英での3年間と「あの転倒」から這い上がった不屈の精神
- 大東文化大学への進学で期待される箱根駅伝での活躍と役割
- 第31回大会全体のハイライトと鈴木大翔らチームメイトの奮闘
全国都道府県対抗男子駅伝2026で近江亮が見せた覚醒の走り
2026年の全国都道府県対抗男子駅伝において、近江亮選手は宮城県チームの優勝に大きく貢献する決定的な仕事をやってのけました。
高校生区間の中でも最長となる5区(8.5km)を任された彼は、序盤から攻めの走りを展開し観衆を沸かせました。
ここでは、彼がレースで見せたパフォーマンスの詳細と、その走りがチームにもたらした影響について解説します。
5区区間賞を獲得した圧巻のレース展開
第5区は、高校生ランナーにとって実力が試されるタフな区間であり、各都道府県のエース級が投入される激戦区です。
近江亮選手は、襷を受け取った瞬間から迷いのないストライドで加速し、前を行くライバルたちを次々と捉えていきました。
特に中間点を過ぎてからのペースアップは圧巻で、他の選手が苦しい表情を見せる中で一人涼しい顔でラップを刻み続けました。
結果として、彼は従来の区間記録に迫る好タイムを叩き出し、見事に区間賞を獲得するという最高の結果を残しました。
この走りは、単なるスピードだけでなく、長い距離を押し切るスタミナと精神力が高校レベルを超越していることを証明しました。
解説者たちも「大学生や実業団選手のような落ち着きがある」と絶賛するほど、完成度の高いレース運びだったと言えるでしょう。
宮城県チームを優勝へと導いた決定的な役割
近江選手の5区での快走は、宮城県チームにとって優勝をたぐり寄せるための最大のピースとなりました。
前半の区間でチームメイトの鈴木大翔選手らが作った良い流れを、さらに加速させる役割を完璧に果たしたのです。
もし彼がここで区間賞レベルの走りをしていなければ、後半のアンカー区間で他県の猛追を許していた可能性も十分にありました。
彼が稼ぎ出した数十秒のアドバンテージは、最終区のランナーにとって計り知れない精神的な余裕を与えたはずです。
まさに「エースの仕事」とはこういうことだと言わんばかりの、チーム全体を鼓舞するような力強い走りでした。
レース後のインタビューで見せた充実した笑顔は、彼がチームのために走り抜いた達成感を物語っていました。
ライバルたちとの競り合いで見せた勝負強さ
今大会の5区には、長野や兵庫、福島といった強豪県の有力ランナーも多数エントリーしており、ハイレベルな争いが予想されていました。
しかし、近江選手は並み居るライバルたちとの直接対決でも一歩も引かず、むしろ競り合いを制して前に出る強さを見せました。
特に、並走状態になった際のギアの切り替えは見事で、相手の息が上がった瞬間にスッと前に出る駆け引きの巧さが光りました。
これまでのレース経験で培ってきた勝負勘が、この大一番で遺憾なく発揮された瞬間だったと言えます。
トラックのスピードだけでなく、ロード特有の展開の綾を読む能力にも長けていることが、彼の大きな武器となっています。
全国の猛者たちを相手に勝ち切ったこの経験は、大学進学後の彼にとって大きな自信となるに違いありません。
沿道の声援を力に変えたメンタルの成長
広島のコースは沿道からの声援が熱いことでも知られていますが、近江選手はそのエネルギーを自身の走りに還元していました。
苦しい場面でも応援に応えるように力強い腕振りを続け、最後までフォームを崩すことなく走り抜きました。
かつてのアクシデントで注目を浴びた際、プレッシャーに押しつぶされそうになった時期もあったかもしれません。
しかし今の彼は、周囲の期待や注目をポジティブなエネルギーに変えるメンタルの強さを手に入れています。
「応援が背中を押してくれた」と語る彼の言葉からは、アスリートとしての精神的な成熟が感じられました。
心技体が噛み合った今の近江亮選手は、誰にも止められないほどの勢いを持っています。
監督やチームメイトからの信頼と評価
レース後、宮城県チームの監督やチームメイトからは、近江選手の走りを称賛する声が相次ぎました。
「彼ならやってくれると信じていた」「一番頼りになる存在」という言葉が、彼への厚い信頼を物語っています。
日頃の練習から誰よりも真剣に取り組み、チームを引っ張ってきた姿勢が、この本番での結果に繋がったのでしょう。
特に同じ高校の鈴木選手とは互いに切磋琢磨し、高め合ってきた関係であり、二人の活躍が宮城躍進の原動力となりました。
個人の能力だけでなく、チームの一員としての振る舞いやリーダーシップも、彼の評価を高める要因となっています。
この信頼関係があったからこそ、プレッシャーのかかる場面でも実力を発揮できたのだと考えられます。
仙台育英での3年間と「あの転倒」からの復活劇
近江亮選手を語る上で欠かせないのが、仙台育英高校での濃密な3年間と、そこで味わった天国と地獄です。
特に2年生の時の全国高校駅伝(都大路)での転倒アクシデントは、彼の競技人生における大きなターニングポイントとなりました。
ここでは、彼がいかにして挫折を乗り越え、世代屈指のランナーへと進化したのかを振り返ります。
2024年都大路での転倒と味わった屈辱
2024年の全国高校駅伝、当時2年生だった近江選手は主要区間である1区を任されましたが、スタート直後の接触で転倒してしまいます。
シューズが脱げかけ、紐を結び直すタイムロスを負いながらも走り続けましたが、結果は区間14位と不本意なものでした。
チームはその後猛烈な追い上げを見せて3位に入りましたが、近江選手自身にとっては悔やんでも悔やみきれないレースとなったはずです。
テレビ中継でその姿が全国に流れたこともあり、彼にかかる精神的な負担は相当なものだったと想像できます。
しかし、彼はその悔しさを決して言い訳にせず、ただひたすらに「強くなること」で返そうと誓いました。
この時の挫折こそが、今日の近江亮という強いランナーを作り上げる原点となったのです。
這い上がるために取り組んだ肉体改造と練習
転倒のアクシデント以降、近江選手はフィジカルの強化とバランス感覚の向上に徹底的に取り組みました。
接触があっても倒れない体幹の強さや、どんな状況でもリズムを崩さないフォームを追求し、練習量を増やしました。
また、メンタル面でも「どんなトラブルが起きても動じない」強さを養うため、想定外の状況をイメージしたトレーニングも積んできました。
その成果は、翌年のトラックシーズンでの自己ベスト更新や、駅伝シーズンでの安定した走りに如実に現れ始めました。
苦しい練習の中で彼を支えたのは、「あの日の借りは都大路で、そして全国の舞台で返す」という執念にも似た思いだったでしょう。
地道な努力を積み重ねることができる才能こそが、彼を一流のアスリートへと押し上げたのです。
2025年都大路での4区区間賞という回答
3年生として迎えた2025年の全国高校駅伝、近江選手は4区を走り、見事に区間賞(23分02秒)を獲得しました。
前年の借りを返すかのような鬼気迫る走りで、チームを上位へと押し上げる素晴らしいパフォーマンスを見せました。
この区間賞は、単なる記録以上の意味を持つ、彼の高校3年間の努力の結晶とも言える結果でした。
レース後のインタビューで見せた涙と笑顔は、彼が抱えてきたプレッシャーからの解放と、達成感を物語っていました。
「転倒があったからこそ、ここまで強くなれた」と胸を張って言えるようになった瞬間でもありました。
この復活劇は、多くの高校生ランナーや駅伝ファンに勇気と感動を与えるドラマとなりました。
大東文化大学への進学と次なるステージへの展望
高校卒業後、近江亮選手は箱根駅伝の常連校であり、「古豪復活」を目指す大東文化大学へ進学することが決まっています。
5000m13分台のスピードを持つ彼が、大学駅伝界でどのような走りを見せるのか、期待は高まるばかりです。
ここでは、進学先での役割や、箱根駅伝での活躍の可能性、そして将来的なビジョンについて考察します。
大東文化大学を選んだ理由とチームへの適合性
近江選手が大東文化大学を進学先に選んだ背景には、同大学が近年力を入れている強化体制と、チームの雰囲気が影響していると考えられます。
真名子監督のもとで着実に力をつけている大東大は、個々の走力を伸ばす育成力に定評があり、近江選手のスタイルに合致しています。
また、仙台育英の先輩たちが大学駅伝で活躍している姿も、彼の進路選択における安心材料の一つになったことでしょう。
彼の持ち味であるスピードとロードでの強さは、予選会からの戦いも含めて、チームにとって即戦力となるはずです。
大東大の「山の大東」という伝統に加え、平地でも戦えるスピードランナーとしての役割が期待されます。
彼のようなエース級の加入は、チーム全体の士気を高め、シード権獲得や上位進出への起爆剤となるでしょう。
箱根駅伝で期待される区間と活躍の可能性
大学駅伝の最大目標である箱根駅伝において、近江選手は1年目から主要区間を任される可能性が非常に高いです。
スピードを活かせる1区や3区、あるいはアップダウンにも対応できる強さを見込んで4区なども候補に挙がるでしょう。
特に、近年高速化が進む1区において、13分台のスピードを持つ彼のような選手は非常に貴重な存在となります。
また、今回の都道府県駅伝で見せたような単独走の強さを活かせば、復路のエース区間である9区などでも力を発揮するかもしれません。
いずれにせよ、ルーキーイヤーから「スーパールーキー」として注目を集めることは間違いありません。
箱根の舞台で「ライトグリーン」の襷をかけた彼が、他大学のエースたちと渡り合う姿を見るのが今から楽しみです。
将来的な日本代表や世界への挑戦
近江選手のポテンシャルは、大学駅伝の枠に留まらず、将来的には日本代表として世界と戦うレベルにまで達する可能性があります。
5000mですでに13分台をマークしているスピードは、トラック種目での国際大会出場も十分に視野に入る水準です。
大学での4年間でスタミナと戦術眼をさらに磨けば、ハーフマラソンやマラソンへの移行もスムーズに進むでしょう。
近年の日本男子長距離界は世界との差を縮めつつあり、彼もその流れに乗って世界へ羽ばたく才能を持っています。
まずはユニバーシアードやアジア大会といった国際舞台での経験を積み、五輪や世界陸上を目指してほしいものです。
彼の走りが、日本の陸上界に新たな風を吹き込むことを多くのファンが期待しています。
第31回全国都道府県対抗男子駅伝の全体ハイライト
近江選手の活躍だけでなく、第31回全国都道府県対抗男子駅伝は全体を通しても非常に見どころの多い大会となりました。
各都道府県の誇りをかけた熱い戦いは、記録面でも記憶面でも素晴らしい瞬間を数多く生み出しました。
ここでは、今大会を象徴するいくつかのハイライトシーンと、特に輝きを放った選手たちについて振り返ります。
宮城・鈴木大翔による1区区間新記録の衝撃
レースの幕開けとなる1区(7km)で、宮城県代表の鈴木大翔選手(仙台育英高)が驚異的な区間新記録を樹立しました。
スタート直後からハイペースでレースを牽引し、有力選手たちが牽制し合うのを尻目に独走態勢を築きました。
従来の記録を25秒も上回る19分06秒というタイムは、高校生ランナーのレベルが一段階上がったことを証明するものです。
この鈴木選手のロケットスタートが、後の区間を走る近江選手ら宮城県チーム全員に勢いを与えたことは間違いありません。
彼もまた、近江選手と共に今後の陸上界を牽引していく存在として、その名を全国に轟かせました。
この1区の快走は、大会史に残る名場面として長く語り継がれることになるでしょう。
中学生・大学生・実業団が織りなす襷リレーのドラマ
都道府県対抗駅伝の醍醐味は、異なる世代のランナーが一本の襷をつなぐところにありますが、今大会も数多くのドラマが生まれました。
中学生区間(2区・6区)では、将来有望なジュニア選手たちが区間記録に迫る懸命な走りを見せ、順位を大きく変動させました。
また、社会人・大学生区間(3区・7区)では、箱根駅伝を沸かせたスター選手や実業団の実力者たちが貫禄の走りを披露しました。
特にアンカー勝負となった7区では、優勝を目指すチーム同士の意地と意地がぶつかり合う激しいデッドヒートが繰り広げられました。
故郷の期待を背負って走る選手たちの表情は、普段の所属チームで走る時とはまた違った覚悟に満ちていました。
世代を超えた絆と、郷土愛が交錯するこの大会ならではの熱気が、広島の街を包み込んでいました。
入賞争いと繰り上げスタートの悲喜こもごも
優勝争いだけでなく、8位以内の入賞を目指すチーム間の争いも、最後まで予断を許さない展開となりました。
数秒差で順位が入れ替わる混戦の中で、一つのミスも許されない緊張感が選手たちを極限まで追い込みました。
一方で、無情にも繰り上げスタートの号砲が鳴り、襷が途切れてしまうチームもあり、駅伝の厳しさを改めて感じる場面もありました。
しかし、最後まで諦めずに走り抜いた選手たちには、沿道から惜しみない拍手と声援が送られました。
勝者の歓喜だけでなく、敗者の涙や悔しさもまた、この駅伝が持つドラマの一部であり、見る者の心を打ちます。
すべての選手が全力を出し切った結果として、今大会もまた素晴らしい記憶として刻まれました。
まとめ|近江亮が示した「真のエース」への道標
2026年の全国都道府県対抗男子駅伝は、宮城県代表が圧倒的な強さを見せつける大会となりましたが、その中心にいたのは間違いなく近江亮選手でした。
5区での区間賞獲得という結果は、彼の実力が高校生レベルを完全に超え、次のステージへ進む準備ができていることを証明しました。
都大路での転倒という過去の挫折を糧にし、這い上がってきた彼のストーリーは、単なる競技結果以上の感動を私たちに与えてくれました。
彼の走りは、技術や体力の向上だけでなく、困難に立ち向かう心の強さがいかに大切かを教えてくれます。
これから大東文化大学へと進み、箱根駅伝をはじめとする大学三大駅伝での活躍が期待される近江選手。
「古豪復活」を掲げるチームにおいて、彼がどのような化学反応を起こし、新たな歴史を作っていくのか、今から楽しみでなりません。
ファンとしては、彼が怪我なく順調に成長し、いずれは日の丸を背負って世界で戦う姿を夢見てしまいます。
今日、広島で見せたあの力強いガッツポーズは、彼の輝かしい未来への序章に過ぎないのかもしれません。
近江亮というランナーの物語はまだ始まったばかりです。これからも彼の走りから目が離せません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 近江 亮(おうみ りょう) |
| 出身・所属 | 宮城県・仙台育英高校(3年) |
| 進学予定 | 大東文化大学 |
| 5000mベスト | 13分56秒91 |
| 主な実績 | 2025年全国高校駅伝 4区区間賞 |
| 2026年都道府県駅伝 | 5区 区間賞(宮城優勝貢献) |


