毎年1月、広島の地で繰り広げられる「全国都道府県対抗男子駅伝(ひろしま男子駅伝)」。
世代を超えたタスキリレーは多くの感動を呼びますが、中でも「第5中継所」はレース終盤の行方を占う重要なポイントとして知られています。
高校生ランナーたちが限界に挑み、次なる走者へ想いを託すこの場所には、他の中継所とは違う独特の緊張感とドラマがあるのです。
現地で応援するファンにとっても、テレビで観戦する人にとっても、この中継所の特徴を知っておくことでレースの面白さは倍増します。
特に第5中継所は、高校生から高校生へとタスキが渡る唯一のポイントであり、各チームの戦略が色濃く出る区間でもあります。
通過予想時刻やアクセス方法、さらには知られざる「繰り上げスタート」のルールまで、事前にチェックしておくべき情報をまとめました。
| 項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| 中継所名 | 第5中継所(広島工大高前) |
| 区間リレー | 4区(5.0km 高校生)→ 5区(8.5km 高校生) |
| 通過予想時刻 | 先頭通過 14:01頃(14:00〜14:10頃がピーク) |
| 最寄り駅 | 広電宮島線「修大協創中高前駅」より徒歩約3分 |
| 注目ポイント | 順位変動が激しい高校生同士のリレーゾーン |
全国都道府県対抗男子駅伝の第5中継所(広島工大高前)を徹底解剖
全国都道府県対抗男子駅伝において、レース後半の勝負所となるのが第5中継所です。
ここは単なる通過点ではなく、各都道府県の未来を担う高校生ランナーたちが、それぞれのプライドを懸けてタスキを繋ぐ場所として知られています。
まずは、この中継所の基本的な情報と、観戦する上で押さえておきたいポイントを詳しく解説していきます。
場所とアクセス・最寄り駅の注意点
第5中継所は「広島工大高前」に設置されており、正式名称は広島工業大学高等学校前です。
観戦に訪れる際の最寄り駅は、広島電鉄宮島線の「修大協創中高前駅(旧・修大附属鈴峯前駅)」で、そこから徒歩約3分という好立地にあります。
以前の駅名や、近くにある「広電五日市駅」と混同しやすいため、路線図を確認する際は駅名を正確にチェックすることをおすすめします。
JRを利用する場合は、山陽本線の「五日市駅」が最寄りとなりますが、中継所までは徒歩で約15分から20分ほどの距離があります。
少し距離はありますが、駅からの道順は比較的わかりやすく、レース当日は多くの観客が歩いているため迷うことは少ないでしょう。
ただし、交通規制が始まると横断歩道の利用が制限される場合があるため、余裕を持って現地に到着しておくことが大切です。
周辺には商業施設や住宅地が広がっており、観戦場所としてのスペースはある程度確保されていますが、混雑は避けられません。
特に中継所付近は各チームの関係者や応援団で埋め尽くされることが多いため、良いポジションを確保するには早めの行動が鍵となります。
公共交通機関のダイヤも当日は変更や混雑が予想されるので、事前に帰りのルートまでシミュレーションしておくと安心です。
区間構成・4区から5区へのリレー
この第5中継所最大の特徴は、4区を走る高校生から、5区を走る高校生へとタスキが渡される点にあります。
他の区間では「社会人から高校生」や「高校生から中学生」といった世代間のリレーが行われますが、ここは唯一の同世代リレーゾーンです。
5kmというスピード区間を駆け抜けてきた4区の走者が、8.5kmという長距離区間に挑む5区の走者へ勢いをそのまま伝えます。
4区は比較的距離が短いため、スピード自慢のランナーが起用される傾向にあり、集団が一気にばらけるか、逆に混戦になるかの分岐点です。
一方、タスキを受ける5区は、次の第6中継所で中学生ランナーにバトンを渡すため、できるだけタイムを稼いでおきたい重要な区間となります。
そのため、この中継所では「順位を上げて勢いづくチーム」と「苦しい走りで順位を落とすチーム」の明暗がはっきりと分かれます。
高校生同士だからこそ通じ合うライバル意識や、チームメイトとしての信頼関係が、タスキ渡しの瞬間の表情に色濃く表れます。
声を掛け合い、背中を叩いて送り出すシーンは、駅伝ファンにとってはたまらない青春のワンシーンと言えるでしょう。
このリレーゾーンで生まれた数秒の差が、最終的なゴールタイムに大きく響いてくるため、一瞬たりとも目が離せません。
通過予想時刻と交通規制の状況
例年のデータに基づくと、先頭のチームが第5中継所に飛び込んでくるのは、午後2時01分(14:01)前後と予想されます。
もちろん、当日の天候やレース展開によって数分の前後はありますが、14時を過ぎたあたりから現場の緊張感は最高潮に達します。
多くのチームがこの後10分から15分の間に続々と通過していくため、観戦のピークタイムは極めて凝縮された短い時間となります。
この通過時刻に合わせて、周辺道路では大規模な交通規制が敷かれることになり、車両の通行は完全にストップします。
具体的には、選手が通過する数十分前から規制が始まり、最後のランナーが通過して規制解除車が通るまで、道路を横断することはできません。
そのため、反対車線側に移動したい場合や、駅へ戻りたい場合などは、規制のタイミングを計算に入れて動く必要があります。
特に第5中継所付近は、宮島街道という主要幹線道路を使用しているため、規制の影響範囲が広く、迂回路も混雑する傾向にあります。
車での来場は基本的に推奨されておらず、公共交通機関を利用するのが最もスムーズで確実なアクセス方法です。
規制解除後は一斉に観客が移動を始めるため、駅の混雑もピークに達することを覚悟し、時間をずらすなどの工夫も有効でしょう。
繰り上げスタートのルールと白タスキ
駅伝競技において最も残酷でありながら、避けては通れないルールが「繰り上げスタート」であり、この大会にも存在します。
全国都道府県対抗男子駅伝では、先頭チームが中継所を通過してから一定時間が経過すると、前の走者の到着を待たずに次走者がスタートします。
この際、チームの想いが込められたオリジナルのタスキではなく、大会本部が用意した「白タスキ(繰り上げタスキ)」を掛けることになります。
具体的な繰り上げ時間は、その年の交通事情や規制解除の要請によって微妙に調整されることがありますが、概ねトップから10分〜15分程度が目安です。
第5中継所において繰り上げが発生することは比較的稀ですが、アクシデントや著しいブレーキがあった場合は十分にあり得ます。
目の前で繰り上げの号砲が鳴り、無情にもタスキが繋がらない瞬間は、選手だけでなく観客の心も締め付けられる光景です。
しかし、白タスキでスタートした選手も、記録上はしっかりとチームの成績として残るため、最後まで全力を尽くして走ります。
繰り上げになってしまったチームへの温かい拍手や声援は、現地観戦ならではの心温まるマナーの一つとも言えるでしょう。
タスキが繋がるかどうかの瀬戸際で繰り広げられるドラマもまた、駅伝という競技が持つ奥深さの一部なのです。
コースの特徴とランナーへの負担
第5中継所に至るまでのコースは、平坦に見えて実は細かなアップダウンや風の影響を受けやすい、ランナー泣かせのルートです。
特に海沿いを走る区間から市街地へと入ってくるため、ビル風や向かい風に体力を削られる選手も少なくありません。
4区のランナーは、残りの体力を振り絞ってラストスパートをかける必要があり、中継所手前での失速が命取りになります。
また、中継所自体が直線の見通しの良い場所に設置されているため、遠くから次走者の姿が見えることは精神的な支えになります。
しかし、その分だけ「あと少しなのに体が動かない」という焦りを生む要因にもなり、メンタル面の強さが試される場所でもあります。
路面のコンディションや当日の気温もレース展開を左右し、特に冷え込みが厳しい日は筋肉の硬直によるトラブルも警戒されます。
タスキを受け取る5区のランナーにとっては、スタート直後から自分のペースを作りやすい環境ですが、突っ込みすぎには注意が必要です。
ここから始まる8.5kmは高校生区間としては最長であり、序盤のオーバーペースは後半の失速に直結してしまいます。
冷静な判断力と熱い闘志を併せ持った選手だけが、この第5中継所を起点としてチームを上位へと押し上げることができるのです。
4区から5区へ!高校生ランナーが見せるドラマと戦略
第5中継所でのタスキリレーは、単なる走者の交代以上の意味を持ち、各チームの監督が知恵を絞った戦略の結節点となります。
「つなぎ」の区間と捉えるか、それとも「勝負」の区間と捉えるかで、ここに配置される選手のタイプは大きく異なります。
高校生ランナーたちが織りなす熱いドラマと、その裏に隠された高度な駆け引きについて、さらに深く掘り下げてみましょう。
4区の重要性と順位変動のメカニズム
4区は5.0kmという比較的短い距離設定ですが、だからこそ高速レースになりやすく、一瞬の油断が大きな順位変動を招きます。
各チームはここに、スピード能力に長けた「切り込み隊長」のような役割を果たす選手を配置することが多い傾向にあります。
短距離が得意な選手がごぼう抜きを演じることもあれば、長距離タイプの選手がスピードに対応できずに遅れることも珍しくありません。
また、4区は中盤の要となる区間であり、ここで良い流れを作れるかどうかが、後半のレース展開を決定づけると言っても過言ではありません。
上位でタスキを受ければそのまま逃げ切りを図れますが、下位で受けた場合は無理をしてでも前を追わなければならない苦しい展開になります。
特に第5中継所手前でのデッドヒートは、数秒の差を削り取るための意地のぶつかり合いとなり、観客を熱狂させます。
この区間での順位変動は、単にタイム差が縮まるだけでなく、チーム全体の士気にも大きな影響を与える重要なファクターです。
「良い位置でエースに渡せた」という安堵感や、「想定以上に遅れてしまった」という焦燥感が、次走者の走りを左右します。
4区のランナーの走りは、その背中を見る5区のランナーにとって、言葉以上のメッセージとなって伝わっているのです。
5区のエース級高校生ランナーたち
タスキを受ける5区は8.5kmという長丁場であり、各都道府県の高校生エース級が投入される「準エース区間」とも呼ばれています。
インターハイや全国高校駅伝(都大路)で活躍した有名選手が走ることも多く、将来のオリンピック候補を目撃できるチャンスでもあります。
彼らは単に速いだけでなく、単独走でもペースを乱さない強靭な精神力と、レース全体を俯瞰する冷静さを兼ね備えています。
5区のランナーに求められるのは、前の区間で作られた流れを壊さずに維持するか、あるいは悪い流れを断ち切って順位を押し上げることです。
特に優勝争いをしているチームにとっては、ここでライバルチームを引き離すことが、最終7区のアンカーへの最高のプレゼントになります。
逆に、ここで大きく崩れてしまうと、後続の6区(中学生)や7区(社会人・大学生)での挽回が極めて困難になります。
そのため、5区の選手たちはプレッシャーとの戦いを強いられますが、それを力に変えることができるのが真のエースです。
淡々とラップを刻む選手もいれば、闘志を前面に出して攻めの走りを見せる選手もおり、それぞれのスタイルが見る者を魅了します。
第5中継所で見せる、タスキを受けた直後の力強い第一歩は、彼らの決意の表れそのものと言えるでしょう。
過去の名勝負と逆転劇のエピソード
全国都道府県対抗男子駅伝の歴史を振り返ると、この第5中継所前後で数多くの名勝負や劇的な逆転劇が生まれてきました。
下位に沈んでいたチームが、4区と5区の高校生コンビの快走によって一気にシード権争いまで浮上した例は枚挙に暇がありません。
若さゆえの爆発力が、ベテラン勢の計算や予想を遥かに超える結果を生み出すことが、この駅伝の醍醐味でもあります。
ある年には、トップと数分差の絶望的な状況から、区間新記録に近いペースで猛追し、中継所手前で奇跡的な逆転を果たしたシーンもありました。
また、タスキを渡す寸前で足がもつれて転倒しながらも、這うようにして次走者に繋いだ感動的な場面も語り継がれています。
これらのエピソードは、単なる記録上の数字だけでは語り尽くせない、人間ドラマとしての駅伝の魅力を象徴しています。
過去のデータや前評判を覆すような走りが飛び出すのも、成長著しい高校生ランナーたちが主役となるこの区間ならではの特徴です。
「今年はどんなドラマが生まれるのか」と期待しながら観戦することで、一つ一つのプレーがより鮮明に記憶に刻まれるはずです。
歴史に残る名シーンの目撃者となるために、第5中継所での攻防には常に注目しておいて損はありません。
第5中継所での観戦を100倍楽しむための完全ガイド
テレビの前で応援するのも良いですが、やはり現地で感じる風の音、選手の足音、息遣いは何物にも代えがたい体験です。
しかし、漫然と立っているだけでは、一瞬で過ぎ去ってしまう選手たちの姿を見逃してしまうことにもなりかねません。
ここでは、第5中継所(広島工大高前)での観戦をより充実したものにするための、具体的なテクニックと心構えを紹介します。
おすすめの観戦ポジションと視点
第5中継所付近でベストな観戦ポジションを確保するためには、中継ラインの「手前」か「奥」かを明確に決めることが大切です。
タスキ渡しの瞬間を正面や真横から見たい場合は、中継ラインのすぐ近くが特等席ですが、ここは最も混雑する激戦区でもあります。
逆に、ラストスパートの形相を見たいなら中継所の100mほど手前、スタートダッシュを見たいなら50mほど奥が狙い目です。
また、道路のどちら側(海側か山側か)に陣取るかによっても、見える景色や写真のアングルは大きく変わってきます。
当日の太陽の位置や風向きを考慮し、逆光にならない側や、選手が風よけに使いそうなサイドを予測するのも通な楽しみ方です。
特にコーナー付近では選手がインコースを攻めてくるため、迫力ある走りを間近で体感できる可能性が高まります。
さらに、スマートフォンやラジオで実況中継を聞きながら観戦することで、目の前の光景とレース全体の状況をリンクさせることができます。
「今、トップが通過したから、あと〇分で推しのチームが来る」といった予測が立てば、カメラを構えるタイミングも逃しません。
単に目で見るだけでなく、情報を駆使して「状況を読む」ことが、駅伝観戦をより深く楽しむためのコツです。
応援時のマナーと必須の注意点
熱心な応援は選手の力になりますが、ルールやマナーを守らない行為は、競技の妨げになるだけでなく、事故につながる危険性もあります。
最も基本的なルールとして、コース内(車道)には絶対に身を乗り出さないことが求められ、撮影に夢中になるあまり白線を超えるのは厳禁です。
また、伴走や並走は禁止されており、選手に触れようとしたり、水をかけたりする行為も絶対に行ってはいけません。
応援グッズとして小旗やタオルを使用する場合は、選手の視界を遮らないよう、胸の高さより下で振るなどの配慮が必要です。
大きな声での声援は励みになりますが、中継所付近では審判員の声や選手同士の掛け声が聞こえなくなる恐れがあるため、状況に応じた配慮が求められます。
特に繰り上げスタートが迫っているような緊迫した場面では、静かに見守ることもまた、選手への敬意と優しさです。
ゴミの持ち帰りはもちろんのこと、近隣の住宅や店舗の敷地内に無断で立ち入ったり、出入り口を塞いだりしないことも重要です。
大会ボランティアや警備員の指示には速やかに従い、誰もが気持ちよく観戦できる環境作りに協力しましょう。
良識あるファンの行動が、大会を支え、来年以降も素晴らしいレースが開催されるための基盤となるのです。
周辺の穴場スポットと待機場所
レース通過までの待ち時間や、観戦後の混雑回避のために、周辺のちょっとしたスポットを知っておくと便利です。
広島工大高の近くには、コンビニエンスストアや公園がいくつか点在しており、トイレ休憩や軽食の調達に利用できます。
ただし、レース直前はどの店も混雑するため、必要なものは事前に別の場所で購入して持参するのが賢明な判断です。
また、少し足を伸ばせば、瀬戸内海を一望できるスポットもあり、レースの熱気とは対照的な穏やかな風景を楽しむこともできます。
観戦後に興奮冷めやらぬまま海を眺めたり、近くのカフェでレースの感想を語り合ったりするのも、現地観戦ならではの楽しみ方でしょう。
ただし、交通規制中は移動が制限されるため、現在地から目的地までのルートが確保されているか、常に確認を怠らないようにしてください。
穴場的な観戦場所としては、主要な交差点から少し離れた直線道路沿いや、沿道の店舗が独自に提供している観戦スペースなどがあります。
人混みを避けてゆっくり見たい場合は、あえて中継所から少し離れたポイントを選ぶのも一つの戦略です。
自分だけの特等席を見つけることができれば、毎年の観戦がより待ち遠しいイベントになることは間違いありません。
繰り上げスタートの悲喜こもごも!白タスキのルール詳細
駅伝における「繰り上げスタート」は、競技運営上の都合であると同時に、数え切れないほどの涙とドラマを生んできた舞台装置です。
特に全国規模の大会では、故郷の期待を背負っている分、タスキが繋がらなかった時の選手の無念さは計り知れません。
ここでは、知っているようで意外と知らない繰り上げの仕組みと、それがチームに与える影響について解説します。
繰り上げ時間の基準と大会運営
全国都道府県対抗男子駅伝では、交通渋滞の緩和や大会のスムーズな進行を目的として、繰り上げスタートの制度が導入されています。
一般的には、先頭チームが中継所を通過してから「10分〜15分後」が一つの目安となりますが、これは固定された絶対的なルールではありません。
その日のレース展開、天候、警察との協議結果などにより、現場の判断で繰り上げのタイミングが決定されることがあります。
大会本部には「白タスキ」と呼ばれる繰り上げ専用のタスキが用意されており、対象となったチームの次走者はこれを身につけてスタートします。
このタスキは、チームオリジナルの色鮮やかなタスキとは異なり、無念さと「それでも前に進む」という決意の象徴として映ります。
運営側としても、できるだけ全てのチームにタスキを繋がせてあげたいという思いがあり、繰り上げの号砲を鳴らす瞬間は苦渋の決断となります。
視聴者や観客にとっても、残り時間を示す時計の針と、必死の形相で走ってくるランナーの姿を交互に見る時間は、心臓が痛くなるほどの緊張感です。
「あと数秒」「あと数メートル」で間に合わなかったという非情な現実が、勝負の世界の厳しさをまざまざと見せつけます。
しかし、このルールがあるからこそ、制限時間内でのタスキリレーという行為に、尊い価値が生まれるとも言えるでしょう。
白タスキがもたらす心理的影響
母校や故郷の刺繍が入ったタスキを次走者に渡せなかったという事実は、走者にとって大きな精神的ダメージとなります。
「自分のせいでタスキが途切れた」という自責の念は深く、レース後も長くトラウマとして残ってしまう選手も少なくありません。
特に責任感の強い高校生ランナーにとって、その重圧は想像を絶するものであり、周囲のサポートが不可欠となります。
一方で、白タスキを受け取った次走者もまた、「自分たちのタスキではない」という複雑な感情を抱えながら走ることになります。
しかし、ここで心を折ることなく、「記録だけでもチームに貢献する」と気持ちを切り替えられるかが、一流のアスリートへの分かれ道です。
白タスキには、前走者の無念を晴らし、ゴールで待つアンカーまで想いを運ぶという、新たな使命が宿っているのです。
観客もその心情を理解しているため、白タスキのランナーに対しては、判官贔屓にも似た特別な声援が送られることがよくあります。
その声援が背中を押し、本来の実力以上の走りを引き出すこともあり、スポーツ心理学の面から見ても興味深い現象が起きます。
逆境における人間の強さや優しさが垣間見える瞬間こそ、繰り上げスタートの裏にあるもう一つの真実です。
チーム戦略への影響と今後の対策
繰り上げスタートになってしまうと、見た目の順位と実際の順位(通算タイムでの順位)にズレが生じ、レース状況の把握が難しくなります。
チームスタッフは、正確なタイム差を計算し、走っている選手に「今の順位」と「目標タイム」を的確に伝える必要があります。
モチベーションの維持が難しい状況下で、いかに選手を鼓舞し、最後まで集中力を保たせるかが、監督の手腕の見せ所です。
また、一度繰り上げを経験したチームは、翌年に向けて「絶対にタスキを繋ぐ」という明確で強い目標を掲げるようになります。
この悔しさをバネにして練習に励み、翌年には見違えるような強いチームへと成長して帰ってくるケースも珍しくありません。
失敗や挫折を糧にして強くなるというストーリーは、スポーツ界における普遍的な成功法則であり、駅伝もその例外ではないのです。
次回のレースでは、ギリギリのラインで戦うチームがどのような粘りを見せるか、という視点で観戦するのも面白いでしょう。
繰り上げ回避のために必死でスパートをかける選手たちの姿は、優勝争いとはまた違った種類の感動を与えてくれます。
全てのチームが一本のタスキで繋がることを願いつつ、それぞれの限界に挑む姿を最後まで見届けたいものです。
まとめ
全国都道府県対抗男子駅伝の第5中継所(広島工大高前)は、高校生たちの熱い想いが交錯する、大会屈指の見どころの一つです。
アクセス至便な立地でありながら、レースの行方を左右する重要な局面を目撃できるため、観戦スポットとしての価値は非常に高いと言えます。
最後に、今回解説したポイントを改めて整理し、当日の観戦に向けたアクションプランを提案します。
まず、通過予想時刻である14時01分に合わせて、余裕を持って「修大協創中高前駅」に到着するスケジュールを組みましょう。
そして、4区から5区へのリレーが持つ意味や、繰り上げスタートのルールを頭に入れた上で、選手たちに温かい声援を送ってください。
現地に行けない場合でも、テレビやラジオを通じて、第5中継所でのドラマに注目することで、駅伝の楽しみ方は何倍にも広がります。
さあ、次はあなたがこの熱狂の目撃者となる番です。ぜひ来年の1月は、広島の地で、あるいは画面の前で、白熱のタスキリレーを見守ってください!


