全国都道府県対抗男子駅伝2026|長野5連覇の偉業なるか!区間エントリーと戦力分析

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2026年1月18日、広島の地で新たな歴史が刻まれようとしています。天皇盃第31回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(通称:全国男子駅伝/ひろしま男子駅伝)にて、長野県チームが前人未到の「5連覇」に挑みます。

前回の2025年大会では大会新記録での優勝を果たし、圧倒的な強さを見せつけた長野。しかし、直近の全国高校駅伝での結果や、ライバル県による「長野包囲網」の形成により、今年のレースはかつてない激戦が予想されます。

この記事では、現地観戦やテレビ観戦が100倍面白くなるよう、長野の偉業達成の可能性と、それを阻むライバルたちの戦力を徹底的に深掘りしました。まずは、長野県チームの近年の圧倒的な成績を振り返りましょう。

年度 回数 長野県の順位 備考
2023 第28回 優勝(V9) 3年ぶり開催で王座奪還
2024 第29回 優勝(V10) 2時間17分00秒の好記録
2025 第30回 優勝(V11) 2時間16分55秒(大会新)
2026 第31回 ?? 史上初の5連覇へ挑戦

全国都道府県対抗男子駅伝2026で長野は5連覇できるのか?

結論から言えば、長野県の5連覇の可能性は極めて高いと言えますが、決して「盤石」ではありません。なぜなら、駅伝の流れを左右する高校生区間において、絶対的なアドバンテージが揺らぎつつあるからです。

ここでは、長野がなぜここまで強いのか、そして今回直面している課題について、チーム構造の視点から5つのポイントで解説します。

1. 佐久長聖高校という絶対的な基盤

長野県の強さの源泉は、名門・佐久長聖高校の存在に他なりません。高校生区間(1区・4区・5区)を同校の単独メンバーで固めることができる連携力は、混成チームが多い他県に対して大きな武器となってきました。

普段から寝食を共にし、高見澤勝監督の指導を一貫して受けているため、タスキ渡しのミスや調整不足のリスクが極限まで低いのが特徴です。

2. 大学生・実業団へ続く黄金のパイプライン

長野の真の強さは、佐久長聖を卒業した後の選手たちが、大学や実業団でさらに飛躍し、長野県チームに戻ってくる「循環システム」にあります。

今回のメンバーである伊藤大志選手(NTT西日本)や濱口大和選手(中央大1年)のように、箱根駅伝などの檜舞台で活躍するトップランナーが、郷土の誇りを胸に一般区間(3区・7区)を担うため、長距離区間での大崩れがありません。

3. 中学生区間の育成レベルの高さ

「中学生が強いチームが勝つ」と言われるこの大会において、長野の中学生育成システムは全国屈指です。全中駅伝(全国中学校駅伝大会)の上位校から選抜された選手たちは、基礎走力が高く、プレッシャーのかかる舞台慣れもしています。

今回は川中島JRCや安曇野ACといったクラブチーム所属の選手も選出されており、学校部活の枠を超えた強化体制が実を結んでいます。

4. 「都大路10位」からの巻き返し

不安要素があるとすれば、2025年12月の全国高校駅伝(都大路)で佐久長聖高校がまさかの10位に終わった点です。優勝候補筆頭と目されながら入賞を逃した悔しさは、選手たちの心に火をつけているはずです。

この「負け」をバネに、わずか1ヶ月でどこまで修正し、闘志を燃やして広島に乗り込んでくるか。長野の底力が試される大会となります。

5. チーム全体を貫く「駅伝王国」のプライド

長野県チームには、過去最多の優勝回数を誇る「駅伝王国」としての強烈な自負があります。サポートスタッフ、県民の応援、そして選手たちの意識の高さが、苦しい場面でのあと一歩の粘りを生み出します。

「長野のタスキを途絶えさせるわけにはいかない」というメンタリティこそが、データ以上の戦力となって5連覇への推進力となるでしょう。

2026年大会の長野県代表メンバーと注目選手

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5連覇の重圧を背負う、2026年の長野県代表メンバー(エントリー選手)がついに発表されました。今年も世代を超えたトップランナーが揃っていますが、その配置と戦略には注目が集まります。

ここでは、チームの核となる主要選手と、彼らが担う役割について詳しく見ていきましょう。

一般区間:最強のOBコンビが牽引

チームの精神的支柱となるのが、主将を務める伊藤大志選手(NTT西日本)です。早稲田大学時代から学生界を代表する選手として活躍し、実業団1年目の今年も安定感は抜群。最長区間の7区(13km)または重要区間の3区(8.5km)での起用が濃厚です。

そして注目は、ルーキーイヤーながら中央大学のエース格として活躍した濱口大和選手。スピードとスタミナを兼ね備えており、彼がどの区間に配置されるかが勝負の鍵を握ります。

高校生区間:雪辱を誓う佐久長聖勢

高校生区間は、佐久長聖高校の3年生主将・酒井崇史選手を中心に構成されます。都大路での悔しさを晴らすため、並々ならぬ決意で臨んでくるでしょう。1区(7km)で好スタートを切り、流れを作れるかが最大のポイントです。

また、2年生ながら実力者の赤坂直人選手や小海楽空選手もエントリーされており、将来のエース候補たちがスピード区間で区間賞争いに絡むことが期待されます。

中学生区間:将来のスター候補たち

2区(3km)と6区(3km)を担う中学生には、根岸知輝選手(川中島JRC)や三澤岳士選手(安曇野AC)らが控えています。特に3000mの持ちタイムが全国トップクラスの選手を揃えており、一般・高校生が作ったリードを広げる、あるいは接戦を制する「つなぎ」以上の走りが求められます。

長野の中学生は後半に強い傾向があり、競り合いになっても動じないメンタリティが強みです。

長野の5連覇を阻む強力なライバル県

長野の独走を許さないため、他県も強力な布陣で挑んできます。特に「打倒長野」の急先鋒となるのが、兵庫、岡山、そして昨年2位の千葉です。これらのチームがどの区間で仕掛けてくるかを知ることで、レース展開の予想がより深まります。

兵庫県:最強の「箱根スター軍団」

最大のライバルは、やはり兵庫県です。今回は青山学院大学で箱根駅伝優勝に貢献した折田壮太選手や、中央大学の藤田大智選手、さらに実業団の長嶋幸宝選手(旭化成)と、一般区間の層の厚さは長野を凌ぐ可能性があります。

高校生区間にも西脇工業のエース級・新妻兄弟(遼己・昂己)を擁しており、全区間で穴がありません。先行逃げ切りを図りたい長野に対し、後半勝負で逆転を狙う展開になるかもしれません。

岡山県:異次元の「山の神」を擁する

岡山県チームの目玉は、なんといっても「シン・山の神」として知られる黒田朝日選手(青山学院大4年)と、その弟・黒田然選手(同2年)の兄弟エントリーです。特に黒田朝日選手の爆発力は脅威で、1人で数十秒の差をひっくり返す力があります。

さらに、5000mの県高校記録を持つ首藤海翔選手(倉敷高)もおり、エース区間での真っ向勝負は見応え十分です。

千葉県・東京都:高速レースへの対応力

昨年2位の千葉県や、選手層の厚い東京都も侮れません。千葉は中学生・高校生の育成が順調で、全体の平均スピードが高いのが特徴です。東京は大学・実業団の拠点が多いため、コンディションの良い選手を柔軟に起用できる強みがあります。

これらのチームが1区からハイペースな展開を作れば、長野といえども苦戦を強いられることになるでしょう。

勝負を分ける「運命の区間」と観戦ポイント

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47都道府県のタスキがつながる48kmのドラマ。長野が5連覇を達成するためには、特定の区間での「決定的な走り」が必要です。ここでは、特に注目すべき勝負所を解説します。

テレビの前で応援する際、このポイントを意識するとレースの熱量が変わります。

1区(7km):高校生エースの駆け引き

スタート直後の1区は、各県の高校生エースが集う重要区間です。ここで先頭集団から30秒以上離されると、優勝は極めて厳しくなります。

長野としては、ここでトップ付近をキープし、得意の中学生区間(2区)へ良い流れで渡すことが絶対条件。佐久長聖の選手がスローペースからのスパート合戦を制するか、あるいはハイペースで他を削り落とすか、最初の10分間は見逃せません。

3区(8.5km):一般区間での主導権争い

社会人・大学生が走る3区は、順位が大きく変動する区間です。ここで長野の伊藤選手や濱口選手が、兵庫や岡山の強力な一般ランナーと直接対決する可能性があります。

特に、前の区間でついた差をどれだけ詰めるか、あるいは広げるか。各チームの「エース投入」のタイミングが、監督の采配の見せ所となります。

7区(13km):アンカー勝負と歴史的瞬間

最終7区は最長距離であり、平和記念公園のゴールテープを切る感動のフィナーレです。過去の大会でも、アンカー勝負で大逆転劇が生まれてきました。

もし長野が独走状態でここに入れば、5連覇の歓喜の瞬間をじっくり味わえますが、兵庫などと競り合う展開になれば、最後のトラック勝負までもつれる歴史的な名勝負になるでしょう。

まとめ:2026年、長野の伝説を目撃せよ

2026年の全国都道府県対抗男子駅伝は、長野県による「史上初の5連覇」という歴史的な偉業がかかった記念すべき大会です。佐久長聖高校の組織力、OBであるトップランナーの愛郷心、そして将来有望な中学生たちの力が融合した「チーム長野」は、今年も優勝候補の筆頭であることは間違いありません。

しかし、兵庫や岡山といった強力なライバルたちが、その王座を本気で奪いに来ています。都大路での悔しさをバネにした高校生たちの走りや、箱根駅伝を沸かせたスター選手たちの激突など、48kmの道のりには数え切れないドラマが詰まっています。

決戦は1月18日、12時30分号砲。ぜひテレビの前で、あるいは現地で、この新しい伝説が生まれる瞬間を目撃してください。長野が偉業を成し遂げるのか、それとも新たな王者が誕生するのか。その答えは、ゴールテープだけが知っています。