2026年1月2日・3日に開催される「第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」。
12月10日のチームエントリー(16名登録)が完了し、いよいよファンの関心は「誰がどの区間を走るのか?」という区間エントリーへと向かっています。
今大会は、前回大会で激戦を繰り広げた「黄金世代」の4年生たちが集大成を迎える重要な年。
エースたちは補欠に回るのか、それとも最初から主要区間に配置されるのか、高度な情報戦が始まっています。
この記事では、運命の「区間エントリー発表」を前に、知っておくべきスケジュールや複雑な当日変更ルール、そして優勝候補の戦略を徹底解説します。
- 区間エントリー発表:2025年12月29日
- 当日メンバー変更:往復路あわせて最大6名
- 注目ポイント:4年生エースの配置と心理戦
箱根駅伝2026 区間エントリーの発表日時と基本ルール
第102回箱根駅伝の区間エントリー(正選手10名+補欠6名の登録)は、**2025年12月29日**に行われます。
例年、各大学のマネージャーが書類を提出し、不備の確認を経て、一般に情報が公開されるのは**午後3時〜4時頃**になるのが通例です。
このリストが発表されると、SNSやニュースサイトでは一斉に「〇〇大学のエースが補欠登録だ!」「1区にいきなり主力を投入してきた!」といった議論が巻き起こります。
しかし、この12月29日のリストはあくまで「暫定」であることを理解しておく必要があります。
勝負のカギを握る「当日変更」のルール

箱根駅伝には、レース当日の朝にメンバーを入れ替えることができる「当日変更」という制度があります。
かつては「病気や怪我の場合のみ」という建前がありましたが、近年では完全に「戦略的な交代枠」として利用されています。
現在のルール(第102回大会適用予定)は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更可能人数 | 往路・復路あわせて最大6名まで |
| 1日の上限 | 1日(往路のみ、復路のみ)で最大4名まで |
| 変更締切 | レース当日の朝6時50分 |
| 変更対象 | 「区間エントリー選手」と「補欠選手」の入替のみ |
特に重要なのは、「区間エントリーされた選手同士の区間交換(配置換え)はできない」という点です。
例えば、1区に登録された選手を2区にスライドさせることはできません。
一度区間に名前が載った選手は、「その区間を走る」か「走らずに外れる」かの二択しかありません。
なぜエースを「補欠」に隠すのか?
12月29日の発表を見て、「なぜあのエースが補欠なんだ?」と驚くことがよくあります。
これは「当て馬(あてうま)」と呼ばれる、箱根駅伝特有の高度な心理戦です。
主力選手をあえて補欠に登録しておき、ライバル校の区間配置(誰がどこに来るか)を見てから、当日の朝に最適な区間へ投入する戦略です。
他大学に手の内を明かさないため、あるいは主力の体調をギリギリまで見極めるために、多くの大学がこの戦法を採用します。
そのため、12月29日のリストでエースの名前がなくても悲観する必要はありません。
むしろ「補欠にいる=どこに来るか分からない」というプレッシャーを他校に与えているのです。
区間エントリー情報の確認方法
最新の区間エントリー情報は、以下の媒体で最速で確認できます。
特に公式サイトや主催者のSNSは情報の正確性が最も高いため、ブックマークしておきましょう。
- 関東学生陸上競技連盟(公式サイト)
- 箱根駅伝公式サイト
- 大手スポーツニュースサイトの速報
- 各大学の陸上競技部公式SNS
第102回大会の優勝候補と4年生エースの動向
第102回大会も、近年続く「3強」の構図が中心になると予想されます。
特に注目なのが、前回大会で圧倒的な強さを見せた青山学院大学、トラックシーズンから好記録を連発している駒澤大学、そして出雲・全日本で実績を積み重ねてきた國學院大學です。
青山学院は選手層の厚さが最大の武器であり、誰が走っても区間上位で走れる「穴のない駅伝」を展開します。
一方、駒澤大学は絶対的なエース力で勝負を決めにかかるでしょう。
國學院大學は「粘りの駅伝」に加え、近年はスピードランナーも育成されており、総合優勝を十分に狙える位置にいます。
「黄金世代」ラストラン:佐藤圭汰・黒田朝日の配置は?
2026年大会の最大の目玉は、入学時から学生長距離界を席巻してきた現4年生、いわゆる「黄金世代」のラストランです。
特に駒澤大学の佐藤圭汰選手や、青山学院の黒田朝日選手といった、各校のエースがどの区間に配置されるかが勝敗を分けます。
これまでのセオリー通りであれば、エース区間である「花の2区」での直接対決が期待されます。
しかし、近年の高速化に伴い、1区からハイペースで逃げ切る戦略や、3区・4区にエースを配置して中盤で突き放す戦略も増えています。
彼らが「正選手」として配置されるか、それとも「補欠」から当日変更で投入されるか、監督の采配に注目です。
山登り「5区」のスペシャリスト争い
箱根駅伝の勝敗を決定づけると言っても過言ではないのが、往路のアンカーとなる山上りの5区です。
「山の神」と呼ばれるような圧倒的な適性を持つ選手がいるチームは、往路優勝、そして総合優勝へ大きく近づきます。
各大学とも、1年間かけて5区専用のトレーニングを積んだスペシャリストを準備しています。
特に雨や雪、低温などの悪条件になった場合、走力以上に「山への適性」と「精神力」が問われる過酷な区間となります。
12月29日のエントリーで、5区に「経験者」を置くか、「未知の新戦力」を置くかで、各チームの自信のほどが伺えます。
シード権争いとダークホースの存在

優勝争いと同様に熱いのが、翌年の出場権(シード権)が与えられる「総合10位以内」を巡る戦いです。
11位以下のチームは、翌年10月の予選会に回らなければならず、チーム強化のスケジュールが大きく変わってしまいます。
近年は実力が拮抗しており、往路で15位前後であっても、復路で一気に挽回してシード権を獲得するケースが増えています。
「復路の選手層」がシード権獲得のカギを握るため、12月29日のエントリーで復路(6区〜10区)にどのような選手を配置しているかが分析のポイントです。
予選会からの下克上はあるか
予選会を勝ち上がってきた大学の中にも、上位校を脅かすポテンシャルを持ったチームが存在します。
予選会トップ通過のチームや、伝統校の復活などは、大会の台風の目となる可能性があります。
予選会組は、本戦までの調整期間が短いというハンデがありますが、一方で予選会という実戦を経てチームの結束力が高まっているというメリットもあります。
「勢い」をそのまま本戦に持ち込めれば、往路でのサプライズ上位進出も十分にあり得ます。
1区の「超・高速化」への対応
近年の箱根駅伝のトレンドとして、1区の高速化が挙げられます。
かつては「スローペースでの牽制(けんせい)」が定番でしたが、最近はいきなりエース級の選手が飛び出し、1区から独走態勢を作る展開が増えています。
これに対応するため、各校とも「スターター」には絶対的な信頼を置ける準エース級を投入する必要があります。
もし1区で1分以上の遅れをとると、今の高速駅伝では挽回が極めて困難になるからです。
12月29日のエントリーで、1区に誰を置くかは、そのチームが「攻め」の姿勢か「守り」の姿勢かを見極める重要な指標となります。
箱根駅伝2026を10倍楽しむための観戦ガイド
第102回箱根駅伝は、例年通り日本テレビ系列で生中継されます。
また、テレビが見られない環境でも、TVer(ティーバー)などのインターネット配信でリアルタイム視聴が可能です。
- 1月2日(往路):あさ7時00分〜放送開始(スタート8時00分)
- 1月3日(復路):あさ7時00分〜放送開始(スタート8時00分)
放送開始直後の7時台には、当日の「メンバー変更」の情報が速報として入ってきます。
この時間の情報チェックが、レース展開を予想する上で最も重要です。
公式記録とリアルタイム順位の追い方
レース中は、テレビ画面の左上に表示される順位だけでなく、公式サイトの「記録速報」を活用するのがおすすめです。
公式サイトでは、各中継所の通過タイムや区間順位がほぼリアルタイムで更新されます。
特に、見た目の順位と実際の順位(通過タイム順)が異なる「復路」では、データを見ることでより深くレースを楽しめます。
また、SNSのハッシュタグ「#箱根駅伝」を追うことで、現地の天候情報や、テレビに映らない後方集団の様子などを知ることができます。
現地観戦のマナーと注意点
沿道での応援は選手の大きな力になりますが、マナーを守ることが大前提です。
コースへの飛び出しや、横断幕の設置など、運営の妨げになる行為は厳禁です。
また、選手は時速20km以上の猛スピードで駆け抜けていきます。
一瞬の通過を見逃さないためにも、通過予想時刻を事前にチェックし、余裕を持って観戦ポイントに到着するようにしましょう。
スマートフォンでラジオ放送(文化放送など)を聞きながら観戦すると、レース全体の状況が把握しやすくなります。
まとめ:12月29日の発表で「全ての戦略」が見えてくる
第102回箱根駅伝の区間エントリーは、2025年12月29日に発表されます。
ここで発表される10名のリストと補欠選手、そして1月2日・3日の朝に行われる「当日変更」。
この一連の流れを理解することで、箱根駅伝の奥深さをより一層味わうことができます。
特に今回は、佐藤圭汰選手や黒田朝日選手ら「黄金世代」の4年生たちが、最後の箱根路でどのような走りを見せるのか、そして各監督が彼らをどの区間に配置するのかが最大の見どころです。
まずは12月29日の区間エントリー発表を待ち、ご自身の予想と実際のオーダーを照らし合わせてみてください。
そして新年、学生たちの熱いタスキリレーを全力で応援しましょう!


