2026年の元旦、駅伝ファンが待ちわびる「ニューイヤー駅伝(第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会)」がいよいよ開催されます。実業団日本一を決定するこの大会は、箱根駅伝と並ぶお正月の風物詩として多くの注目を集めています。
第70回という記念大会となる今回は、前回大会からのコース変更が定着し、区間配置の戦略がさらに重要度を増しています。特に「花の2区」に各チームのエースが集結する展開は見逃せません。
本記事では、ニューイヤー駅伝2026のスタート時間やテレビ放送予定、コース詳細から優勝候補までを網羅的に解説します。以下の概要をチェックして、元日の観戦準備を整えましょう。
- 開催日:2026年1月1日(木・祝)
- スタート時間:午前9時15分
- 放送局:TBS系列(全国ネット)
- 注目点:第70回記念大会、エース区間2区の攻防
ニューイヤー駅伝2026のスタート時間とタイムスケジュール
2026年大会も例年通り、群馬県庁を発着点として開催されます。当日の詳細なタイムスケジュールを把握しておくことで、見たい区間や選手の通過を見逃すことなく観戦できます。
スタート時刻は午前9時15分
第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝2026)の号砲は、2026年1月1日 午前9時15分に鳴らされます。スタート地点は群馬県庁前です。
全チームが一斉にスタートし、最初の1区(12.3km)で群馬県庁から高崎市役所を目指して駆け抜けます。スタート直後の位置取り争いは非常に激しく、転倒などのアクシデントにも注意が必要な緊張感あふれる瞬間です。
テレビ中継のオープニングからレース開始までの時間は短いため、朝の準備を済ませて9時にはテレビの前に待機しておくのがおすすめです。現地の気象条件によっては、スタート時刻が数分程度調整される可能性もゼロではありませんが、基本的には定刻通りに行われます。
全区間の通過予想時刻表
各中継所の通過予想時刻を知っておくことは、観戦計画を立てる上で非常に重要です。先頭チームの通過予想時刻は以下の通りです。
| 区間 | 区間距離 | コース | 先頭通過予想 |
|---|---|---|---|
| 1区 | 12.3km | 県庁~高崎 | 9:50頃 |
| 2区 | 21.9km | 高崎~伊勢崎 | 10:53頃 |
| 3区 | 15.4km | 伊勢崎~尾島 | 11:38頃 |
| 4区 | 7.8km | 尾島~太田 | 12:00頃 |
| 5区 | 15.8km | 太田~桐生 | 12:46頃 |
| 6区 | 11.2km | 桐生~西久保 | 13:19頃 |
| 7区 | 15.6km | 西久保~県庁 | 14:05頃 |
※気象条件やレース展開により、時間は前後する可能性があります。特に強風(空っ風)が吹いた場合、タイムが遅くなる傾向があります。
ゴール予想時刻と表彰式
優勝チームが群馬県庁のフィニッシュ地点に戻ってくるのは、午後2時00分〜2時15分頃と予想されます。100kmに及ぶ長旅を終えたアンカーが歓喜のゴールテープを切る瞬間は、大会最大のハイライトです。
全チームがゴールした後、群馬県庁の特設ステージにて表彰式が行われます。優勝チームには内閣総理大臣杯が授与され、区間賞を獲得した選手たちも表彰されます。
上位入賞チーム(通常は8位まで)には来年のシード権が与えられるため、優勝争いだけでなく、入賞ラインを巡るシビアな順位争いがゴール直前まで繰り広げられます。
テレビ放送と配信スケジュール
テレビ放送は、TBS系列28局フルネットで生中継されます。放送時間は午前8時30分から午後2時30分までの予定です。
解説には、実業団駅伝を知り尽くしたOBや現役監督が登場し、レースの裏側や戦略を詳しく解説してくれます。また、インターネット配信では「TVer」でのリアルタイム配信が実施される見込みです。
スマートフォンやタブレットを使えば、外出先や初詣の列に並びながらでもレースの模様を確認できます。TBSの公式サイトやYouTubeチャンネルでは、中継車ごとの映像が見られるマルチアングル配信が行われることもあり、よりマニアックな視点で楽しむことも可能です。
当日の交通規制について
大会当日は、コース周辺で大規模な交通規制が敷かれます。群馬県内の主要道路(国道17号、国道50号など)の一部が、選手通過に合わせて順次通行止めとなります。
規制時間は区間によって異なりますが、概ね午前8時30分から午後2時30分の間です。特に高崎市、前橋市、伊勢崎市、太田市などの市街地では渋滞が予想されます。
初詣や年始の挨拶回りで車を利用する方は、事前に群馬県警や大会公式サイトで規制マップを確認し、迂回ルートを検討してください。観戦目的の方は、公共交通機関の利用を強くおすすめします。
第70回記念大会のコース詳細と重要な変更点

ニューイヤー駅伝のコースは「上州の空っ風」と呼ばれる強風が吹くことで有名ですが、近年のルール変更により区間の役割が大きく変わっています。特に第68回大会からの変更点は、今回も勝負の行方を左右する重要な要素です。
2区(21.9km)が真のエース区間に
かつて「インターナショナル区間」として知られた最短の2区は廃止され、現在は最長距離の21.9kmを走るエース区間へと生まれ変わっています。ここでは各チームの日本人大黒柱が投入されます。
高崎市役所から伊勢崎市役所までのこの区間は、平坦ながらも距離が長く、各チームの主力選手同士による激しいつばぜり合いが見られます。ここで遅れると後半での挽回が極めて困難になるため、前半最大の山場と言えるでしょう。
前回の箱根駅伝で活躍した若手スター選手や、マラソン日本代表クラスの選手がこの2区に集結する可能性が高く、区間記録の更新にも期待がかかります。
4区(7.8km)はインターナショナル区間
現在、外国人選手(インターナショナル選手)が出走できるのは4区(7.8km)のみとなっています。距離が非常に短いため、外国人選手の爆発的なスピードだけで勝負を決めることは難しくなりました。
しかし、短い距離だからこそ超高速のスピードレースが展開され、数秒を削り出すような激しい競り合いとなります。ごぼう抜きが見られる区間でもあり、順位が目まぐるしく入れ替わるスリリングな展開が楽しめます。
各チームは、この短い4区でいかに貯金を作るか、あるいは借金を最小限に留めるかという戦略を練ってきます。
「空っ風」が勝負を分けるポイント
群馬県特有の「空っ風(からっかぜ)」は、レース展開を大きく左右する不確定要素です。特にレース後半の5区から7区にかけては、強烈な向かい風や横風に晒されることがあります。
単独走になると風の影響をまともに受けて体力を消耗するため、集団の中で風よけを使って走るなどの駆け引きが重要になります。ペース配分を誤ると、実力者であっても大失速する危険性があります。
解説者が「風が出てきました」とコメントし始めたら、レースが動く予兆です。風向きと選手の表情に注目して観戦すると、より深く駅伝を楽しめます。
2026年大会の優勝候補と注目チーム分析
予選会(東日本、中部、関西、中国、九州など)の結果を踏まえ、第70回大会の優勝候補となるチームを分析します。実力が拮抗しており、どこが勝ってもおかしくない戦国駅伝の様相を呈しています。
東日本王者ロジスティードとGMOの勢い
東日本実業団駅伝を制したロジスティードは、安定感抜群の選手層を誇ります。チーム全体のアベレージが高く、ミスが少ないのが特徴です。悲願の初優勝に向け、万全の体制を整えています。
一方、GMOインターネットグループは、大迫傑選手がプレイングディレクターとして関わるなど話題性だけでなく実力も兼ね備えています。トラック競技で好記録を出すスピードランナーが多く揃っており、勢いに乗れば独走する爆発力を秘めています。
両チームとも、箱根駅伝で活躍した若手選手を積極的に採用しており、フレッシュな力とベテランの経験が融合した強力な布陣で挑んでくるでしょう。
王座奪還を狙うトヨタ自動車とHonda
中部実業団駅伝で強さを見せた常勝軍団・トヨタ自動車は、今回も優勝候補の筆頭格です。日本代表クラスの選手を多数擁し、「誰が走っても区間賞争いができる」という圧倒的な選手層の厚さが武器です。
また、近年のニューイヤー駅伝で優勝経験のあるHondaも侮れません。設楽悠太選手をはじめとする個性豊かなタレントが揃い、勝負所を知り尽くしたレース運びには定評があります。
両チームとも予選会では手の内を隠している可能性もあり、本戦にピーキングを合わせてくる調整力はさすがの一言です。
九州の雄・三菱重工と旭化成の底力
九州予選を勝ち抜いた三菱重工は、マラソンで活躍するスタミナ型の選手が多く、長い距離の区間で強さを発揮します。特に風が強くなる後半区間での追い上げに期待がかかります。
そして、歴代最多優勝回数を誇る名門・旭化成。近年は苦しい戦いが続いていますが、その底力は計り知れません。予選会での苦戦をバネに、本戦では伝統のユニフォームが上位を脅かす存在になるはずです。
双子ランナーの村山兄弟や市田兄弟など、旭化成ならではのスター選手たちがどのような走りを見せるかにも注目です。
エントリー選手と区間配置の戦略
12月末に発表される区間エントリーは、各チームの監督による心理戦の結果です。ここでは、2026年大会で予想される区間配置の傾向と、注目すべき選手たちの動向について解説します。
各チームのエース配置予想
前述の通り、最長区間の2区には各チームの「顔」となるエースが投入されます。トヨタ自動車であれば鈴木芽吹選手や太田智樹選手、SUBARUであれば三浦龍司選手などが予想されます。
また、重要度が増しているのが山登りのような起伏はないものの、向かい風が厳しい5区(15.8km)や、アンカー勝負となる7区(15.6km)です。ここにベテランの安定感を置くか、勢いのある若手を抜擢するかで監督の采配が分かれます。
「前半逃げ切り型」か「後半追い上げ型」か、チームの戦術によってエースの配置場所が微妙に異なる点も興味深いポイントです。
鈴木芽吹ら大型ルーキーの動向

2025年の箱根駅伝を沸かせ、実業団入りした「黄金世代」のルーキーたちが、初めてのニューイヤー駅伝に挑みます。特に注目されるのは、トラック10000mで日本新記録を樹立するなど圧倒的な実力を見せる鈴木芽吹選手(トヨタ自動車)です。
他にも、篠原倖太朗選手(富士通)や平林清澄選手(ロジスティード)など、大学駅伝のエースたちが実業団の舞台でどのようなデビューを飾るのか。彼らが主要区間に配置されれば、レースのスピードが一気に上がり、大会記録更新の可能性も出てきます。
新人賞争いも激戦必至であり、ルーキーの走りがチームの順位を大きく左右することは間違いありません。
当日エントリー変更のルール
ニューイヤー駅伝には「メンバー変更」のルールがあります。事前に提出された区間エントリーから、補欠登録の選手と入れ替えることが可能です。
当日の朝に最終的なオーダー変更が発表されるため、事前の予想とは異なる選手が走ることも珍しくありません。これは、選手のコンディションを見極めるだけでなく、ライバルチームのオーダーを見てから戦略を変えるという高度な駆け引きでもあります。
当日変更でエース級の選手が投入された場合、その区間が最大の勝負所となる合図かもしれません。スタート直前の情報更新は見逃せません。
現地観戦ガイドと応援の注意点
テレビ観戦も良いですが、現地で感じる選手の足音や息遣い、スピード感は格別です。群馬県で現地観戦をする際に役立つスポット情報と、応援のマナーについてまとめました。
群馬県庁前のおすすめスポット
スタートとゴール地点である群馬県庁は、最も盛り上がる観戦スポットです。大型ビジョンでレースの模様が流され、多くの屋台やブースが出展される「ニューイヤー駅伝inぐんま」のイベント会場となっています。
ただし、非常に混雑するため、良い場所を確保するには早朝からの到着が必要です。県庁の32階展望ホール(開放されている場合)からは、赤城山や関東平野を一望でき、レースの合間に群馬の景色を楽しむこともできます。
スタートを見送った後、県庁内で温まりながら大型ビジョンで観戦し、ゴールの瞬間に合わせて再び沿道に出るというスタイルが定番です。
沿道応援のマナーと持ち物
沿道で応援する際は、係員の指示に従い、コース内には絶対に立ち入らないようにしましょう。特に選手が通過する際は、小旗やタオルが選手に接触しないよう十分に配慮してください。
冬の群馬は非常に寒く、特に風が吹くと体感温度は氷点下になります。防寒対策は必須です。厚手のコート、手袋、マフラーに加え、カイロや温かい飲み物を持参することをおすすめします。
また、伴走車や中継車も高速で通過するため、写真撮影に夢中になって身を乗り出すのは危険です。安全第一で、選手たちに熱い声援を送りましょう。
駐車場とアクセス情報
群馬県庁周辺には来場者用の駐車場が用意されますが、台数に限りがあり、すぐに満車になることが予想されます。周辺道路も交通規制により渋滞が発生します。
可能な限り、JR前橋駅などの主要駅からシャトルバスや路線バスを利用するか、徒歩で移動することをおすすめします。前橋駅から県庁まではバスで約10分、徒歩でも20分程度です。
遠方から車で来る場合は、少し離れた駅周辺のコインパーキングに駐車し、そこから電車やバスで移動する「パーク&ライド」を検討するとスムーズです。
まとめ
2026年のニューイヤー駅伝は、第70回記念大会として歴史に残るレースになることが予想されます。スタート時間は1月1日午前9時15分です。TBS系列での生中継を見逃さないようにしましょう。
コース変更により、2区がエース区間、4区がインターナショナル区間として定着し、各チームの戦略にも変化が見られます。ロジスティード、トヨタ自動車、GMOインターネットグループなどの優勝候補がどのようなオーダーを組んでくるのか、当日のエントリー変更まで目が離せません。
現地で観戦される方は防寒対策を万全にし、テレビで観戦される方はこたつで温まりながら、新春の上州路を駆け抜ける選手たちに熱いエールを送りましょう。


