2026年1月11日、新春の京都を舞台に「皇后盃 第44回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会」が開催されます。中学生から社会人まで、世代を超えた女性ランナーたちがタスキをつなぐこの大会は、まさに「女子駅伝のオールスター戦」とも言える豪華な顔ぶれが魅力です。
パリ五輪や世界陸上で活躍したトップアスリートと、将来を嘱望される中高生が同じロードを駆ける姿は、この大会でしか見られない特別な光景です。各都道府県のプライドを懸けた熱い戦いに、今年も大きな注目が集まっています。
- 大会名:皇后盃 第44回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会
- 開催日:2026年1月11日(日)12:30スタート
- コース:たけびしスタジアム京都発着(9区間 42.195km)
- 注目点:田中希実ら五輪代表の出場、高校駅伝強豪校の勢い、中学生区間のスピード勝負
本記事では、最新のエントリー情報に基づき、優勝候補の戦力分析や注目選手の動向、そして勝負の鍵を握る区間オーダーの展望について、どこよりも詳しく解説していきます。レース観戦のお供に、ぜひご活用ください。
全国都道府県対抗女子駅伝 2026 オーダーリストと見どころ
まずは、今大会の主役となる注目チームとエントリー選手について解説します。正式な区間オーダーはレース前日に最終決定されますが、提出されたオーダーリスト(エントリーメンバー)を見ることで、各チームの戦略や「本気度」が見えてきます。
優勝候補筆頭:連覇を狙う京都と王座奪還を誓う兵庫
開催地・京都は、長年にわたり圧倒的な強さを誇る「駅伝王国」です。地元・立命館宇治高や立命館大の選手を中心に、実業団の有力ランナーを加えた隙のない布陣は今年も健在です。特に高校生区間での安定感は群を抜いており、前半からレースの主導権を握るでしょう。
対する兵庫は、日本女子陸上界の至宝・田中希実(New Balance)を擁するスター軍団です。田中選手に加え、高校駅伝で上位入賞常連の須磨学園高の選手たちが脇を固めます。田中選手が主要区間でどれだけの貯金を作れるか、あるいはビハインドをひっくり返せるかが、優勝への鍵を握ります。
勢いに乗る長野:高校駅伝連覇の「長野東」が主体
近年、メキメキと力をつけているのが長野県チームです。その原動力となっているのが、年末の全国高校駅伝で連覇を達成した長野東高校の選手たちです。川上南海選手や田畑陽菜選手といった高校生ランナーが、都大路を制した勢いそのままに京都のロードを駆け抜けます。
さらに、実業団で活躍する細田あい(エディオン)や、名城大の村岡美玖といった強力なOGが加わることで、チーム全体の総合力はトップクラスに達しています。「高校生主体」という若さと勢いは、短期決戦の駅伝において大きな武器となるはずです。
宮城と岡山:強力な「中高生ライン」に注目
宮城県チームは、仙台育英高校の現役生とOG(名城大など)による強固なネットワークが強みです。米澤奈々香選手(名城大)ら、大学駅伝でも実績を残している選手が主要区間を担うことで、レース運びの安定感が増します。
一方、岡山県チームには中学生区間で「台風の目」となる可能性があります。全中駅伝で史上稀に見る3連覇を達成した京山中学校から、下田千紗都選手や中西彩葉選手がエントリー。中学生離れしたスピードと勝負強さを持つ彼女たちが、序盤のスピード区間で旋風を巻き起こすかもしれません。
注目選手:五輪ランナーたちの「本気走り」
本大会の最大の魅力は、世界を知るトップランナーたちの走りです。兵庫の田中希実選手はもちろん、石川県代表としてエントリーされた五島莉乃(資生堂)も注目の一人です。五島選手はロードでの強さに定評があり、アップダウンのある京都のコースとも好相性です。
また、群馬県の不破聖衣来(拓殖大)の動向も気になるところです。怪我からの復帰状況にもよりますが、彼女の異次元のスピードは、レースの流れを一気に変える破壊力を秘めています。各チームのエースが激突する1区や9区の攻防は、一瞬たりとも目が離せません。
区間オーダーの戦略的ポイント
全9区間の中で、特に勝負を分けるのが「1区(6km)」と「9区(10km)」、そして中学生区間の「3区・8区(3km)」です。1区で出遅れないことは鉄則ですが、近年は中学生区間でのスピード勝負が激化しており、ここでトップに立つチームがそのまま逃げ切るケースも増えています。
監督たちは、エースを前半に投入して「先行逃げ切り」を狙うのか、それともアンカー勝負に持ち込む「後半型」にするのか、ギリギリまで頭を悩ませます。当日変更も含めたオーダーの駆け引きこそが、駅伝の醍醐味と言えるでしょう。
東日本エリアの戦力分析とエントリー詳細
ここからは、地域ごとに各チームの戦力と主なエントリー選手を掘り下げていきます。まずは、激戦が予想される東日本エリア(北海道・東北・関東)のチーム状況を見ていきましょう。
北海道・東北:雪国で鍛えた粘り強さ
北海道チームは、松木七光(東洋大)や益塚稀(東京農業大)といった大学生ランナーが軸となります。高校生では札幌山の手高や旭川龍谷高の選手たちがエントリー。寒冷地でのトレーニングで培った精神力と粘り強さで、上位進出を目指します。
東北勢では、秋田県の藤田正由加(ルートインホテルズ)や鈴木彩花(大東文化大)に注目。また、青森県は青森山田高の選手たちがチームの核となり、若さ溢れる走りでチームを盛り上げます。岩手県も花巻東高の選手を中心に、まとまりのあるチーム構成となっています。
福島県は、学法石川高の現役生に加え、大河原萌花(名城大)ら強力な卒業生がエントリー。「駅伝王国ふくしま」の復権をかけ、入賞ラインを狙える位置につけています。
関東(北関東):群馬と茨城の挑戦
群馬県チームは、前述の不破聖衣来選手に加え、ヤマダホールディングスなど実業団選手が充実しています。並木美乃選手ら経験豊富なランナーが脇を固めれば、表彰台も十分に狙える戦力です。高校生区間を担う常磐高や健大高崎高の選手たちの踏ん張りも重要になります。
茨城県は、筑波大や日本体育大の学生ランナーと、茨城キリスト高などの高校生が融合。エース区間で粘り、中盤のつなぎ区間で順位を上げる展開が理想的です。栃木県も、白鷗大足利高や宇都宮文星女子高の選手たちが、地元の期待を背負って走ります。
関東(南関東):東京・神奈川の選手層
東京都チームは、例年「優勝候補」の一角に挙げられます。積水化学の新谷仁美選手や木村友香選手といった日本代表クラスが出場すれば、その戦力は圧倒的です。大学生も名城大の増渕祐香選手など実力者が揃っており、選手層の厚さは全国屈指と言えるでしょう。
神奈川県も、実業団のパナソニックやユニクロに所属する選手に加え、白鵬女子高の強力な留学生ランナー(※規定により区間制限あり)や日本人選手が控えています。埼玉栄高を擁する埼玉県、順天堂大や千葉の高校生が主力の千葉県も、虎視眈々と上位を伺います。関東勢同士の順位争いも、大会の裏テーマとして非常に熱いです。
西日本エリアの戦力分析とエントリー詳細
続いて、優勝候補がひしめく西日本エリア(近畿・中国・四国・九州)の状況です。伝統的に駅伝が盛んな地域が多く、ハイレベルなレース展開が予想されます。
近畿:優勝争いの中心地
この大会の主役は何と言っても近畿勢です。京都、兵庫については前述の通りですが、大阪府も忘れてはなりません。ダイハツや岩谷産業といった強豪実業団の選手に加え、薫英女学院高の選手たちがチームを支えます。大阪は常にトップ争いに絡む地力があり、京都・兵庫・大阪の「近畿三つ巴」は見応え十分です。
滋賀県や奈良県も、地元の高校生や大学生を中心に強化が進んでいます。特に滋賀県は、全中駅伝開催地としての盛り上がりもあり、中学生区間での健闘が期待されます。和歌山県も、智辯和歌山高などの選手たちが粘りの走りを見せるでしょう。
中国・四国:岡山の躍進と徳島の底力
中国地方では、やはり岡山県が不気味な存在です。天満屋の実業団選手と、興譲館高や倉敷高の高校生、そして「最強中学生軍団」京山中の選手たちが融合したチームは、爆発力を秘めています。広島県も、世羅高や銀河学院高の選手たちを中心に、伝統の駅伝強豪県としての意地を見せるはずです。
四国では、徳島県の大塚製薬勢に注目です。小林香菜選手らマラソンで実績のある選手が長い距離の区間を走れば、一気に順位を上げる可能性があります。愛媛県や高知県も、地元の声援を背に、一つでも上の順位を目指してタスキをつなぎます。
九州:福岡の総合力と長崎・鹿児島の伝統
九州勢の筆頭は福岡県です。北九州市立高や筑紫女学園高といった全国大会常連校の選手に加え、実業団ランナーも充実しており、入賞圏内を確実に狙える戦力を持っています。佐賀県、長崎県も実業団選手と高校生のバランスが良く、混戦の中で存在感を発揮するでしょう。
鹿児島県は、神村学園高の選手たちがチームの主力となります。高校駅伝で培ったスピードと勝負勘は、全国の舞台でも十分に通用します。熊本県や宮崎県、大分県も、地元の有力選手を集め、九州勢の意地を見せつけます。特に九州のチームは、1区から果敢に攻めるレーススタイルが多く、序盤の展開をかき回す存在として注目です。
コースの特徴と勝負を分ける区間戦略
京都の都大路を巡る9区間・42.195kmのコースは、各区間に明確な特徴があり、選手配置(オーダー)の妙が問われます。ここでは、主要区間の特徴と観戦ポイントを整理します。
1区(6km)& 2区(4km):流れを作る重要区間
第1区(6km)は、各チームのエース級が投入される「顔見せ」区間です。スタート直後の位置取り争いから始まり、中間点以降のアップダウンでの駆け引きが見ものです。ここでトップ集団に食らいつけるかどうかが、その後のレース展開を決定づけます。
第2区(4km)は、1区の流れを引き継ぎつつ、さらに加速するスピード区間です。実力のある大学生や高校生が起用されることが多く、混戦から抜け出すための重要なポイントになります。有名な「金閣寺」付近を通過するコースロケーションも見どころの一つです。
3区(3km)& 8区(3km):中学生区間の爆発力
本大会最大の特徴である「中学生区間」です。わずか3kmという短距離ですが、ここで区間賞レベルの走りができる中学生がいるチームは、一気に数チームをごぼう抜きにすることが可能です。特に、岡山(京山中)や兵庫、長野などの中学生ランナーには要注目です。
大人顔負けのストライドで走る「スーパー中学生」の出現は、毎年の大きな話題となります。将来のオリンピアンの原石をここで発見できるかもしれません。8区も同様に中学生区間となっており、終盤の順位変動のトリガーとなります。
9区(10km):アンカー勝負のドラマ
最終9区は、最長距離の10kmを走るエース区間です。五輪代表クラスや実業団のトップランナーが満を持して登場します。タスキを受けた時点でのタイム差が1分以内であれば、逆転劇が起こる可能性は十分にあります。
西大路通を南下し、たけびしスタジアム京都に戻ってくるまでの道のりは、まさに「我慢比べ」。各都道府県の期待と誇りを背負ったアンカーたちの、魂を削るようなラストスパートには、毎年多くの感動が生まれます。区間記録の更新なるかどうかも、大きな見どころです。
放送予定と当日の観戦ガイド
最後に、大会当日の放送スケジュールと、より深く楽しむための情報をまとめます。現地に行けない方も、テレビやネット配信でリアルタイムの熱戦を見届けましょう。
テレビ放送・ネット配信情報
大会の模様は、NHK総合テレビで全国生中継されます。また、NHKプラスでの同時配信・見逃し配信も行われるため、スマートフォンやタブレットでも視聴可能です。
- テレビ放送:NHK総合 12:15〜(予定)
- ラジオ放送:NHKラジオ第1
- ネット配信:NHKプラス(登録必要・無料)
実況解説には、元オリンピック選手や陸上競技の専門家が招かれ、選手のコンディションや区間ごとの戦術について詳しく解説してくれます。副音声やデータ放送も活用すると、より詳細なラップタイムや順位変動を把握できます。
レース当日の楽しみ方
レース当日は、SNS(Xなど)でのハッシュタグ「#全国女子駅伝」や「#都道府県対抗女子駅伝」をチェックすることをおすすめします。現地観戦しているファンの投稿や、公式アカウントからの速報情報は、テレビ放送では映らない後方集団の様子や、選手の表情を知るための貴重な情報源となります。
また、自分の出身地や居住地のチームを応援するのはもちろん、「推し選手」を見つけてその選手の区間だけ集中して応援するのも、駅伝ならではの楽しみ方です。特に今大会は、次世代のスター候補が多く出場しているため、彼女たちの名前を覚えておくと、数年後のオリンピック観戦がより楽しくなるはずです。
まとめ:2026年の都大路を制するのはどこだ?
2026年の全国都道府県対抗女子駅伝は、連覇を狙う京都、田中希実選手擁する兵庫、そして高校生パワーが炸裂する長野や宮城など、見どころ満載の大会となります。正式な区間オーダーリストが発表された瞬間から、ファンの予想合戦はヒートアップすることでしょう。
どのチームが優勝フラッグを手にするのか、そしてニューヒロインは誕生するのか。1月11日、号砲と共に始まる冬の都大路のドラマを、ぜひその目で目撃してください。寒さを吹き飛ばす彼女たちの熱い走りに、きっと心を動かされるはずです。


