2026年の元日、群馬県庁を舞台に「第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)」が開催されます。記念すべき第70回大会となる今回は、予選会から波乱の展開が続き、例年以上に予想が難しい混戦模様となっています。
特に注目すべきは、東日本予選で初優勝を飾ったロジスティードや、中部予選で絶対王者・トヨタ自動車を破ったトヨタ紡織の躍進です。一方で、前回王者の旭化成は予選で苦戦するなど、各チームの仕上がりに大きな変化が見られます。
本記事では、エントリーメンバー情報の確認方法とともに、今大会の注目チームや選手を詳しく解説します。
| 地区 | 予選1位 | 注目チーム |
|---|---|---|
| 東日本 | ロジスティード | GMO、Honda |
| 中部 | トヨタ紡織 | トヨタ自動車 |
| 九州 | 三菱重工 | 旭化成(前回王者) |
| 関西 | 住友電工 | NTT西日本 |
ニューイヤー駅伝2026の大会概要と予選結果
2026年のニューイヤー駅伝は、記念すべき第70回大会として盛大に開催されます。まずは大会の基本情報と、本選出場を決めた予選会の波乱の結果について振り返っておきましょう。
第70回大会の開催日程と放送予定
ニューイヤー駅伝2026は、2026年1月1日(木・祝)に開催されます。スタート地点は群馬県庁で、号砲は午前9時15分の予定です。元日の朝から昼にかけて、実業団ランナーたちが上州の空っ風の中を駆け抜けます。
テレビ放送は例年通り、TBS系列28局ネットで生中継が行われます。放送時間は午前8時30分から午後2時30分頃までとなる見込みです。また、近年ではTVerなどの動画配信サービスでもライブ配信が行われており、スマートフォンからも観戦が可能です。
群馬県庁発着の7区間100kmコース
コースは群馬県庁を発着点とする7区間、合計100.0kmで争われます。各区間にはそれぞれ特徴があり、チームの戦略が大きく勝敗を左右します。特に「花の4区」と呼ばれる最長区間(22.4km)は、各チームのエースが集う最大の見せ場です。
また、外国人選手が起用可能なインターナショナル区間(例年2区)も、順位変動が激しいポイントです。さらに、空っ風(からっかぜ)と呼ばれる強い北風が選手たちを苦しめるため、当日の気象条件への対応力も重要な鍵となります。
予選会で起きた「歴史的波乱」とは

2025年11月に行われた予選会では、長年駅伝界をリードしてきた強豪チームが敗れる波乱が相次ぎました。東日本予選では、ロジスティードが悲願の初優勝を果たし、GMOインターネットグループやHondaといった優勝候補を抑えました。
中部予選でも、トヨタ紡織がトヨタ自動車の連続優勝を阻止してトップ通過を果たしています。これらの結果は、実業団駅伝の勢力図が大きく変わりつつあることを示唆しており、本選でも「新時代の到来」を予感させる展開が期待されます。
九州予選では三菱重工が制し、前回本選優勝の旭化成は8位での通過となるなど、各地区で激しい競争が繰り広げられました。
第70回記念大会の特別な位置づけ
今回は第70回という節目の大会であり、各企業ともにこの大会にかける思いはひとしおです。歴史ある大会の勝者として名を刻むため、各チームは例年以上の強化を行ってきました。
また、記念大会ならではの演出や盛り上がりも期待されており、現地での応援やメディアでの取り扱いも熱を帯びています。伝統あるチームが意地を見せるか、勢いのある新興チームが歴史を変えるか、注目が集まります。
エントリーメンバーの発表時期と確認方法
正式なエントリーメンバー(区間オーダー)は、例年12月30日の開会式および監督会議の後に発表されます。それ以前の11月下旬から12月上旬にかけては、チームごとの登録選手リスト(10〜12名程度)が日本実業団陸上競技連合の公式サイトで公開されます。
当日の区間配置は、各チームの公式SNSや公式サイト、またはTBSの番組公式サイトで速報されます。選手の体調や直前のコンディションによってオーダー変更が行われることもあるため、スタート直前まで情報収集が欠かせません。
東日本地区の注目チームとエントリー候補
最激戦区である東日本地区は、本選でも上位を独占する可能性がある強力なチームが揃っています。予選を制したロジスティードを中心に、実力伯仲の争いが見込まれます。
予選王者ロジスティードの真価
東日本予選で初優勝を果たしたロジスティードは、今大会の台風の目となる存在です。安定した選手層に加え、勝負どころで競り勝つ強さが備わってきました。
予選での走りがフロックではないことを証明するため、本選でも序盤から積極的なレース運びを見せるでしょう。特に主要区間を任される主力選手たちの走りは、優勝争いに直結する重要な要素となります。
チーム全体の士気も高く、初優勝の勢いそのままに、ニューイヤー駅伝の頂点を目指します。
安定感抜群のGMOインターネットグループ
近年、常に上位争いを繰り広げているGMOインターネットグループも優勝候補の一角です。大迫傑選手をはじめとする強力なメンバーを擁し、トラックシーズンでも好記録を連発しています。
駅伝への適応能力が高い選手が多く、どの区間でも穴がないのが強みです。悲願の初優勝に向け、選手層の厚さを活かした総力戦で挑んでくるでしょう。特に山場となる4区や5区でのレース展開に注目です。
王座奪還を狙うHondaの底力
2022年、2023年と連覇を果たし、前回も2位に入ったHondaは、依然としてトップクラスの実力を誇ります。予選では順位を落としましたが、本選にピークを合わせる調整力には定評があります。
個々の走力は非常に高く、エース級の選手が本来の走りをすれば、十分に優勝を狙える位置にいます。経験豊富なベテランと勢いのある若手が融合し、再び栄冠を掴み取るための準備を進めています。
中部・北陸地区の勢力図と見どころ
「打倒・関東」を掲げる中部地区からも、強力なチームがエントリーしています。予選での下克上が本選でどう影響するかが焦点です。
トヨタ紡織が起こした旋風
中部予選でトヨタ自動車を破り優勝したトヨタ紡織は、今季最も勢いに乗っているチームの一つです。積極的な補強と育成が実を結び、チーム全体の底上げに成功しました。
特にスピードのある選手が揃っており、高速レース展開になれば彼らの強みが活きてきます。予選での勝利が自信となり、本選でも上位争いを掻き回す存在になることは間違いありません。
チーム初の表彰台、さらには優勝を目指して、アグレッシブな走りを期待したいところです。
絶対王者トヨタ自動車の逆襲
長年、ニューイヤー駅伝の主役を務めてきたトヨタ自動車ですが、今回は挑戦者としての立場も併せ持ちます。予選での敗戦を糧に、チームの結束力はさらに高まっているはずです。
オリンピック代表クラスの選手を多数擁する選手層の厚さは健在で、総合力では依然としてナンバーワンの評価もあります。王者のプライドを懸けた、なりふり構わぬ走りに注目が集まります。
特にエース区間での爆発力は脅威であり、他チームにとっては最大のライバルであることに変わりありません。
北陸の雄YKKと地域の期待
北陸地区代表のYKKも、粘り強い走りで上位進出を狙います。厳しい冬の環境で鍛えられた選手たちは、群馬の空っ風にも強く、タフなコンディションで強さを発揮します。
派手さはなくとも、堅実な駅伝を展開するチームカラーは健在です。目標とする入賞ラインに向けて、一人ひとりが役割を果たす「つなぐ駅伝」を見せてくれるでしょう。
九州・関西地区の有力チーム分析
前回王者の旭化成を擁する九州地区や、実力派が揃う関西地区も見逃せません。西日本のチームがレースを支配する展開も十分に考えられます。
前回王者・旭化成の連覇への道
前回のニューイヤー駅伝で見事優勝を果たした旭化成ですが、今季の予選は苦しい戦いとなりました。しかし、本番での勝負強さは折り紙付きです。
「宗茂・猛兄弟」の時代から続く伝統の駅伝哲学は、選手たちに深く浸透しています。予選の不振を修正し、元日にベストコンディションを持ってくる調整力こそが、名門・旭化成の真骨頂と言えるでしょう。
相澤晃選手ら主力が万全であれば、連覇の可能性は十分にあります。
予選快走の三菱重工と黒崎播磨
九州予選を制した三菱重工は、マラソンで実績のある選手が多く、長い距離の区間に強みを持っています。安定感のある走りで、常に先頭が見える位置でレースを進めるでしょう。
また、黒崎播磨も近年力をつけているチームです。若手選手の成長が著しく、勢いに乗れば上位入賞を脅かす存在になります。九州勢同士のライバル関係が、互いのレベルを引き上げています。
関西の雄・住友電工の戦略
関西予選を1位で通過した住友電工は、スプリント能力の高い選手とスタミナのある選手がバランスよく配置されています。トラックシーズンでの好調を維持しており、スピード勝負にも対応可能です。
過去最高順位の更新、そして表彰台を目標に、アグレッシブなオーダーを組んでくることが予想されます。関西の期待を背負い、群馬の地で躍動します。
2026年大会注目の選手とルーキー

チームの順位だけでなく、個人の走りに注目するのも駅伝の醍醐味です。今大会も、世界を知るトップランナーや期待のルーキーが多数エントリーしています。
世界と戦うオリンピアンたちの競演
パリ五輪などで活躍した日本代表クラスの選手たちが、各企業チームのユニフォームを着て激突します。マラソンやトラックで世界と戦った経験は、駅伝というチーム戦でも大きな武器となります。
特にエース区間の4区では、日本記録保持者や代表選手による豪華な競り合いが見られるでしょう。彼らの走りは、単なる順位争いを超えた「世界レベルのパフォーマンス」として必見です。
即戦力ルーキーの加入と影響
2025年春に入社したルーキーたちにとって、今回のニューイヤー駅伝は初の大舞台となります。大学駅伝で名を馳せたスター選手たちが、実業団の壁に挑む姿は大きな見どころです。
特に、箱根駅伝で活躍した選手たちが、どの区間に起用され、どのような走りを見せるかに注目が集まります。新人賞にあたる区間賞を獲得するようなサプライズがあれば、チームの順位も大きく跳ね上がるでしょう。
区間賞争いの行方とキーマン
各区間のスペシャリストたちによる区間賞争いも熾烈です。1区のスピードランナー、山登りの適性がある5区の選手、アンカー勝負に強い7区の選手など、それぞれの持ち場で輝く選手たちがいます。
外国人選手特有の爆発的なスピードが見られるインターナショナル区間では、ごぼう抜きの記録更新にも期待がかかります。試合の流れを変える「ゲームチェンジャー」が誰になるのか、目が離せません。
まとめ:第70回ニューイヤー駅伝を10倍楽しむために
2026年のニューイヤー駅伝は、予選での波乱が示すように、どのチームが勝ってもおかしくない戦国時代の様相を呈しています。初優勝を狙うチーム、王座奪還に燃える名門、そして連覇をかける王者と、それぞれのドラマが交錯します。
- 予選結果をチェック:ロジスティードやトヨタ紡織の勢いが本物か注目。
- エース区間を見逃さない:4区でのオリンピアン対決は必見。
- 正式オーダーを確認:12月30日の区間エントリー発表を必ずチェック。
元日の朝は、テレビの前で、あるいは沿道で、選手たちの熱い走りに声援を送りましょう。新しい年の始まりを告げる号砲とともに、歴史的なレースが幕を開けます。


